護憲というウソ

子供の頃、家の本棚は共産党関連の書籍で埋まっていた。ほとんどの本は、中身は難しくて理解できなかったが、新書版サイズの薄い本の事を良く覚えている。

それには共産党の綱領が書かれていたが、同時に「日本人民共和国憲法」が収められていた。幼い私は、これこそ日本の正義と思い、一所懸命に読んだものだった。

ある時、日本共産党は護憲政党なのに、何故独自の憲法制定を目指しているのだろう、と疑問が湧いた。だが、その疑問は自分の心の中ですぐに正当化されることになる。理想としての日本人民共和国を実現するためには、現憲法を右翼の望む姿に改悪させない必要がある。理想から遠ざからないためにも、現憲法は死守する必要があり、将来的に共産党が政権を取ってから人民共和国を実現すれば良いのだ、と。

随分後になって、日本共産党は人民共和国の憲法を公的には放棄していた事を知る。しかし、共産党一家に育ち、父親から共産主義について聞かされてきた身からすると、日本共産党が護憲である、という点については強烈な違和感を感じる。

共産党が目指す国家像は現行憲法の下に築かれた資本主義社会ではない。共産党の理念を実現するには、憲法改正は不可欠である。
だから、共産党の護憲、というのは真っ赤なウソである。一番分かりやすいのは天皇に関する条項だ。次回は、それについて記述する。

右傾化への第一歩~従軍慰安婦問題(2)

河野談話の後、従軍慰安婦問題の証拠の類は国内で地道に検証され、元従軍慰安婦の証言に信憑性がないこと、慰安婦は強制ではなく高給で募集されたこと、日本が強制的に婦女子を慰安婦として連行した事実はなかったこと、等が明らかになった。韓国側の調査でも元従軍慰安婦の証言に信憑性がない事も明確になり、従軍慰安婦問題は虚構であるという結論で日本ではこの問題は沈静化し、国民の関心も薄れていった。

一方、国内で完全に論破された日本の左翼であるが、この問題を国連の場に持ち込み、国内では否定された証拠を用いて活動を続けた。1996年、国連人権委員会では左翼や韓国の主張が認められ、慰安婦を「性奴隷」と判断した「クマラスワミ報告」が出され、国際社会においては左翼側の従軍慰安婦問題が定着する事になる。

この時代、日本人の大半は「もう謝罪したのだから良いだろう」という感覚だったろう。従軍慰安婦問題という重いテーマに関心も持つのは嫌なものだし、深夜のテレビ討論を見たりこのテーマの本をわざわざ買うのも、一部の日本人だけだったのではないだろうか。

河野談話と同じ年の1993年、NCSA MosaicというWorld Wide Web閲覧ソフトが登場し、90年代後半にはインターネットを通した情報発信が普及し、Google検索サービスも開始された。2000年代には「2ちゃんねる」が巨大化し、テレビや本がなくても様々な情報に触れる事が出来るようになった。

今日では従軍慰安婦問題については、インターネット上の様々なホームページで完璧な情報を入手できる。左翼の人間も、勇気を持って右翼が作ったホームページを閲覧すれば、真実が分かるはずである。例えば以下のような真実だ。

  • 朝日新聞の悪質なキャンペーン
  • 福島瑞穂など日本人左翼の暗躍
  • 元従軍慰安婦による矛盾だらけの証言
  • 朝鮮人業者による朝鮮人婦女子の拉致・誘拐 など

さらに従軍慰安婦問題に入り込むと、終戦直後に発生した次のような事実も知るようになる。

  • 満州や朝鮮半島における朝鮮人による日本人女性への暴行、強姦
  • 国内における在日朝鮮人による日本人女性への暴行、強姦
  • アメリカ兵による日本人女性への暴行、強姦

一般的な日本人が以上のような実態を知るにつれ、思想が右傾化していく事は仕方がない事なのである。

右傾化への第一歩~従軍慰安婦問題(1)

月日が経つのは早いもので、従軍慰安婦問題が世に出てから約40年になる。

この問題は、日本軍あるいは日本国政府が朝鮮人の女性を強制的に売春宿(慰安所)に連行し働かせていた、と一部の日本人が主張し始めた事に端を発する。1973年には千田夏光の『従軍慰安婦』が出版され、10年後の1983年には有名な吉田清治の『私の戦争犯罪―朝鮮人強制連行』が出版された。そしてその10年後の1993年にはいわゆる河野談話が発表された。そして、今年(2013年)はそれから20年の節目にあたる。

ネットで定説となりつつあるように、従軍慰安婦問題を拡大させたのは1992年の朝日新聞の悪質な記事である。宮沢喜一首相の訪韓直前の時期を狙い、日本国内での悪徳業者を取締りを指示する文書を、あたかも日本軍が朝鮮半島で朝鮮人女性を強制連行した証拠であるかのような記事を掲載したのである。

当時、多くの日本人がこの記事に騙された。私もその一人であり、日本軍が朝鮮人女性をセックス目的に強制連行した決定的証拠だと思ったものだ。その後、宮沢首相は韓国に謝罪を繰り返したが、当然だと思った。

日本人は正直な民族である。事実の前には全く弱い性格であり、決定的証拠があれば、弁解する気力は一気に萎えてしまう。そう、当時の日本は罪悪感の前に、ただただ恥じ入るだけで、相手の許しを乞うしかない状況であった。

宮沢首相による謝罪(この時点では強制連行の事実は確認していない)の翌年、河野談話が発表され、日本国政府が正式に慰安婦の強制連行を認めた形となった。一方、政府の調査結果では日本軍や官憲による強制連行の証拠は見つからず、論争の場は国内の言論界、そして国連へと移っていく事になる。

日本人は正直な民族である。証拠もないのに、相手をなだめるためにウソの謝罪をする、これはこれで苦痛である。しかも、結局は相手はなだめられなかったのである。証拠のない話に日本人が怒り始めた。従軍慰安婦問題は河野談話では収まらず、かえって世界中に拡大、拡散していく結果となってしまったのだ。

(続く)

はじめに

赤旗で政治と歴史を学び、朝日で世間の常識感覚を磨いた

私の両親は共産党員で、子供の頃は共産党の世界に染まっていた。平日の朝には赤旗新聞を読んで政治の世界では誰が正義で誰が悪党かを知り、休日には赤旗日曜版で進化論と歴史、文化を学習した。家は赤旗以外に朝日新聞もとっていた。私は朝日新聞も読んでいたので、赤旗ばかりでは思想や知識が偏向してしまうところであったが、世間一般の常識から共産党の考えを客観視する事も出来た。

当時は朝日新聞と毎日新聞が客観中立で、読売新聞は右翼が読む新聞だと認識していた。だから我が家はアンチ巨人であった。産経新聞は自民党の政党機関誌だと思っていたが、見るのも汚らわしいので知人宅や待合室に置かれていても中身は見なかった。産経新聞の記事を初めて読んだのは、インターネットサイトでの記事だった。

インターネットで本当の事を学び、右翼になった

大学生になってからもずっと共産党シンパを続けてきたが、中年となった今ではすっかりネット右翼である。転向の経緯は本ブログで追々記事にする予定である。理由を非常に単純化すると、情報源が多様化したためである。これはインターネットの威力である。

もしインターネットがなかったら、私は共産党シンパのままだっただろう。わざわざ金を払ってまで反動右翼の妄言に満ちた本や新聞など買う気はしないからだ。インターネットはタダだから良い。右翼がどんな事を言っているのか、連中の論理を知っておくのも良いだろう。という事でインターネットで様々な事を学び始めたのだ。

日本の右傾化もインターネットの影響

外国のメディアは、最近の日本は右傾化していると分析している。理由としては経済大国としての地位低下による自信喪失や、韓国や中国の台頭に対する妬み、就職難に引きこもり、など沈滞する日本の経済・社会を挙げる例が多い。

日本人なら、右傾化の理由としては、尖閣諸島に対する中国の軍事挑発と竹島占有を継続する韓国の反日姿勢を挙げる人が多いだろう。
しかし中韓の侵略的態度以前に、右傾化が進行する必然的な理由がある。それはパソコンの普及によるインターネット上での事実の発見だ。インターネットには、義務教育では学ぶ事がない歴史の事実、あるいは学ぶ事はあっても異なる解釈が溢れている。

日本人の大多数は学校では左翼的な観点で歴史を勉強しているため、社会人になってからの学習は必然的に右傾化の方向になる。インターネット社会の到来により、歴史の真実に触れる機会が増えたため、右傾化が加速する事は止められないのである。

もちろん事実ではないニセの情報も満載であるが、インターネットですら情報統制されている近隣諸国とは違い、情報の真偽は出典を探していく事で確認出来る。

このブログの予定

このブログでは、インターネット上のどのような情報が日本を右傾化させているのか、その点について分析し、掲載していく予定である。