新聞広告主への圧力は国民の知る権利を守るために必要だ

FOXニュースはアメリカの報道機関であり、日本で言えばチャンネル桜が地上波デビューしたらこんな感じだろうという保守系の立場である。リベラル派からは嫌われており、時々、メデイア監視団体からFOXニュースの広告主に対する不買運動を起こされている。

もちろん、逆に保守系の団体がリベラルなメディアに対して、広告主に対する不買運動を起す事も多い。アメリカでは報道の規制緩和により、メディアが保守・リベラルに色分けされるようになり、報道機関の中立・公平性が揺らいでいる事が背景にあるようだ。

メディアは第四の権力と言われる。日本の場合、その力は巨大で、特に大手メディアは時の政権を葬り去るだけの力があり、実際にメディアの力で政権交代が行なわれてきた。メディア自身は国家権力をチェックする側として、その力を正義であると思い込んでいるようだが、その肥大化した正義感は、あまりにも傲慢である。

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日本のマスコミは、出来事の一部だけを切り取り、都合の良いように編集し、あるいは曲解して大々的に報道する。それを、自らの政治的主張の達成のために利用するのだ。報道は第一報のインパクトが勝敗を決める。いったん攻勢になれば、マスコミのターゲットとなった側にとって、反論は全く有効ではなくなる。かと言って謝罪すれば一層攻撃されるようになるのだ。

朝日新聞による慰安婦問題の捏造報道は、その最も成功した例と言えるだろう。韓国に味方して日本を貶めるという朝日新聞の政治目的が達成されたからである。日本のマスコミにとって、報道とは正義のためなら捏造報道も正当化される手段となっているのである。

現在、日本のメディアは政治的な偏向が著しい。特に地方局・地方紙にその傾向が見られるが、NHKをはじめとする大手メディアも左翼寄りの偏向報道をしている。日本ではGHQによるプレスコード以来、報道は公正中立でなければならないとされているから、一般の国民はメディアの反日的報道を真実と錯覚する事になる。

日本ではキー局が放送を独占しているため、問題のある偏向報道をする報道機関を国民が市場から退出させる事が出来ない。

新聞だけを批判するなら、新聞自体の不買運動をすれば良いだけかもしれない。ところがインターネットの時代になってネット上で無料で読めるようになると、新聞だけの不買運動には限界がある。

このため、スポンサーに対する不買運動を通して報道機関に圧力をかける事は、国民が大手メディアによる世論誘導・言論封鎖から、真実を知る権利を守るための重要な手段なのである。

一応、メディアを監視する機能としてBPOなるものがあるが、これはNHKと民放で構成された身内のものであり、彼等の自浄作用は全く信用できない。

今回、百田尚樹が自民党の勉強会で発言した内容が大々的に報じられ、政治問題化している。大臣でもなく議員でもない民間人の百田氏をターゲットにしているのは、勉強会に参加した知名度のない議員をたたくより効果的だからであろう。

マスコミは社長まで登場させて批判しているが、今回の件は自民党を攻撃する機会を得たというより、これを機に広告主に対する不買運動を牽制するという意味が大きいであろう。それだけ、スポンサーへのボイコット運動を恐れているという事である。

 

 

安保法制が不成立の場合は国家分断のリスクが増大する

安保法制の振り子図

現在国会で審議中の安保法制とは、「アメリカは軍事力で日本を守るが日本は軍事面ではアメリカには協力しない」という従来の日米同盟から、すこしでも対等に近づくよう、軍事面での協力を拡大する法制度である。安保は安全保障の略であるが、政府は「平和安全法制」と呼んでおり、対象は自衛隊法のほか9つの法律の改正と「国際平和支援法」の新設である。

中国が太平洋の西側で制海権を確保しようと軍事力を増強しているなか、日米の軍事同盟強化は歴史の必然である。中国が尖閣諸島の領有権を主張し、しばしば日本の領海を侵している現在、安保法制の成立は不可欠の状況である。

仮に安保法制が成立しない場合でも、日米の同盟関係が解消されるわけではない。確かにオバマ大統領は昨年(2014年)4月の来日時に尖閣諸島は日米安保条約の対象であると述べている。しかし、アメリカが対中関係を悪化させてでも自国の若者を危険にさらして日本の尖閣を守るかというと、疑わしいところである。

安保法制が成立しない場合には、安倍外交による日米蜜月が終焉し、日米安保条約は現状のレベルから後退する事になるだろう。そして日本は集団安全保障の枠組みからは外れた存在となっていく。

そのような状況下では、中国の軍事力による脅威の前に、「核武装をしてでも自主独立を維持すべきだ」という主戦派と、「支配されてでも戦争の危機は避けよう」という和平派に国論が分裂する事になるだろう。前者と後者の政権交代が繰り返され、国政は混乱しやすくなる。どちらか一方につき進むリスクも、もちろんある。行きつく先は、戦争か、隷属か、という極端な状況だ。

下の図は、様々にあるリスクを簡略化したものだ。小さい円はリスクが限定され、大きな円はリスクが高いことを示す。

安保法制のリスク

個々のリスクについては、次の表にまとめてある。

リスク 安保法制
成立 不成立
軍拡リスク 軍拡 日本が集団安全保障体制に組込まれる事により、効率的な国防体制を構築できる。逆に集団安全保障体制に拘束され、戦前の日本のように自国の利益だけで軍拡をする事は許されなくなる。自衛隊の役割増大で軍備増強が必要となるが、青天井の軍拡リスクは低い。 米国の庇護を期待できなくなる恐れから、兵装の近代化や弾薬等のストック増加、艦船・航空機の追加導入など防衛費が増大し、軍拡が進む可能性が高まる。
核武装 核武装の可能性はない。 核武装の可能性は低いが、核武装論が勢いを得る可能性があり、米国の核の傘が信用できなくなれば核武装も現実的な課題となる。
徴兵制 徴兵制の可能性は極めて低い。 集団安全保障から外れ、中立の道を選択する場合には徴兵制が導入される可能性もある。
領土リスク 尖閣譲歩 日米同盟の強化により、米国の「尖閣は安保の対象」という立場が再確認され、中国に対する抑止効果が期待できる。ただし、尖閣諸島に対する中国の野心を消せるわけではない。 オバマの「尖閣は安保の対象」発言の本気度を探る中国軍(偽装漁民含む)の挑発が続く。武力衝突を恐れる日本政府や国民世論により、尖閣地域共同開発、中立化などの譲歩により主権を喪失するリスクが高まる。
水域縮小 中国の海洋進出は進み、危機は継続するが、中国海軍が米国を敵にまわすような軍事行動は抑制されることが期待できる。 中国の海洋進出を防げない場合には、武力衝突を避けるため排他的経済水域の縮小に妥協するリスクが高まる。対ロシアも同様。日米安保が残っていれば領土喪失の危険は低いが、日米安保が形骸化し、かつ和平ムードが支配的である場合にはいくつかの島を失う可能性がある。また、中国がベトナムなどに対して行なっているように、日本漁船が拿捕されるリスクも高まる。
沖縄独立 沖縄での基地反対運動が激化して中国による沖縄取り込みが進むというリスクは高まる。ただし日米同盟下で沖縄が物理的に中国に支配される可能性は極めて低い。 米海兵隊が沖縄からグアムなどに後退し、米軍が沖縄から消えるという事がない限り日本が沖縄を失う可能性は非常に低いが、中国が軍事衝突の脅しを背景に沖縄独立を画策するリスクは高くなる。
領土割譲 日米同盟があるなかで、日本が領土の一部を喪失するような可能性は低いが、北方領土は米国を無視して妥協する可能性もある。 米国が朝鮮半島からも撤退という事になれば、中国と韓国が圧力をかけて日本が竹島を放棄するというリスクが高まる。
戦争リスク 軍事衝突 安定した集団安全保障体制のもとでは軍事衝突のリスクは低い。 日本が米軍を支援しないのに米軍がリスクを冒して日本を守るのか、中国やロシアが確認のための挑発を活発化させるだろう。このため、中国による挑発行為から偶発的(中国側からすれば確信的な)軍事衝突が起きる可能性が高くなる。
朝鮮戦争 米国を巻き込む戦争となれば日本も参加する事になるが、米軍の存在により朝鮮戦争のリスクは低いまま。 現状を維持できれば朝鮮戦争のリスクは低いが、開戦となれば日本も攻撃対象となる可能性が高い。米軍がアジアから後退するようになれば朝鮮戦争のリスクは高くなる。
日中戦争 日米同盟の軍事的優位性から、日中戦争になる可能性は極めて低い。また、米中戦争も非現実的である。 現状のままでも日中戦争の可能性は極めて低いが、米軍の後退して軍事的バランスが中国優位に傾くと戦争のリスクが生じてくる。
米国の戦争 「アメリカの戦争に巻き込まれる」というリスクは、現状からは何も変化しない。ただし、実際に巻き込まれた場合に自衛隊が攻撃を受けるリスクは高まる。自衛隊員が砂漠でISISと銃撃戦をやるようなイメージを国民が持っているとすれば、政府の説明不足であろう。なお、日米安保弱体化の場合の日中軍事衝突リスクの方が遥かに高い。 リスクは日米安保強化の場合と同じである。ただし、後方支援の役割が限定される分、安全なエリアからの戦争参加となる。その分、資金援助が必要となろう。安保を解消した場合でも、ナチスを潰すような戦争であれば、金銭的貢献が求められるであろう。そもそも安保解消というシナリオでは、米国が日本と戦争するリスクも考えないといけない。
支配リスク 経済 中国市場の取り込みが日米安保弱体化のケースよりも不利になる可能性はあるが、そもそも中国ビジネス自体がリスクのある行為である。経済的に中国が日本を支配する可能性は低い。 中国の戦略は各個撃破であり、日中の経済紛争には単独で対処しなければならない。シーレーンを抑えられる事により日本の資源確保リスクが高まる。米国の睨みがないと、中国進出企業に投資している邦人企業の資産接収や従業員を人質にとるといった緊張事態のリスクも高まる。
日米安保 現安保法案は複雑であるため、米国側が過剰期待する場合に問題が生じる。また、憲法改正という政治リスクに直面する。 現安保法案が不成立でも日米安保が解消されるという事はないが、中国の旺盛な海洋進出と日米離間工作が進めば日米安保が解消されるというリスクもある。しかし、その場合は中国による第二列島線までの海洋支配を米国が認めるという事であり、可能性は低いが実現したら日本は深刻な事態に陥る。
属国化 対中属国化のリスクは低い。逆にアメリカの属国だという意見もあるが、片務的な安保体制を対等にする事により、むしろ自主独立の方向に向う。 中国の実質的な日本支配が進めば、経済、社会、軍事、文化のあらゆる面で属国化が進むことになる。

韓国の軍艦島への反発は明治維新と日本の近代化への妬みだ

軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」とは、文字通り明治時代に産業革命を通して日本を急速に近代化させた貴重な遺産である。今から150年ほど前、日本は明治維新で国家体制を改革し、西欧の科学技術を積極的に取り入れ、短期間での近代化に成功した。これはアジア地域では日本だけが成し遂げた偉業であり、日本人は十分誇りに思って良い。

明治維新は、世界史の中では非常に特異な政治変革であり、その後の急激な近代化も特筆すべき特徴を有している。これには様々な要因があろうが、基本的には当時の日本社会のあり方や、勤勉で努力家、そして道徳意識が高かった日本人の特質によるものであっただろう。

他のアジア地域では、早くから西欧に植民地化されていたり、清の冊封体制下にあって変化が妨げられるなど、自国の力で近代化を成し遂げる事はできなかった。もちろん、だからと言って他のアジア諸国に対して優越感を持ったり、見下したりするのは馬鹿げている。何しろ100-150年ほど昔の話なのである。輝かしい明治維新の偉業も、歴史の中の物語なのだ。だから、結局戦後になるまで近代化できなかったアジア諸国の人々にとっては、日本の明治維新は歴史上の話であり、戦後の日本の経済成長ですら過去の話となりつつある。

ところが、日本がアジアで最初に近代化を果したという歴史的事実が悔しくて仕方がない民族が存在する。もちろん、朝鮮人だ。特に過去30年ほどで急速に経済力をつけた韓国では、いつの間にか韓国人こそ世界で最優秀であると錯覚するようになったのだから、明治維新後のアジア史というのが全く不愉快なのである。

これまで韓国は、「明治日本の産業革命遺産」に強烈に反対していた。理由は、軍艦島では「強制徴用」された朝鮮人が「強制労働」されてきたから、というものである。強制徴用や強制労働については今回のブログでは触れないが、彼等の主張は明治日本の話ではなく、昭和の話だ。

韓国側の反応は、日韓併合時代に関するいつもの反日行動のように見えるし、実際そうであろう。しかし韓国人が「明治日本の産業革命遺産」に反対する最大の要因は、自分達が結局は成し遂げる事が出来なかった日本の近代化の歴史が、世界で広く宣伝される事に対する妬みであろう。明治維新や日本の産業革命が世界で「すごい事」として扱われる事は、日本の全てを否定したい韓国人にとっては我慢ならない事なのである。明治維新自体は今回の世界遺産の話とは関係ないが、明治日本の産業革命には直結する話だ。

ちなみに、日本の左翼でも日本の産業革命や近代化を否定する傾向にある。さすがに明治維新まで批判する人はいないが、少くとも伊藤博文の時代まで遡って日本を悪党扱いしたい連中がいる事は確かである。

さて、日本を訪問した尹炳世(ユンビョンセ)外相が、6月21日の岸田外相との会談で、条件付きながら反対しない事に合意した。この条件というのが曲者で、現時点(6月23日)では明きらかではない。徴用という文言を入れるという報道もあるが、詳しく読んではいないのでコメントするには早すぎるかもしれない。

しかし気をつけた方が良い。「徴用」というと「強制連行」とは別のような響きがあるが、英語にすると同じである。というより、「徴用」に1対1でピッタリ対応する英単語はないので、その場の意味を考えて適切に訳する事になる。慰安婦が Sex Slave と訳され、外国での議論が全く別なものになってしまった事を踏まえると、韓国や反日左翼が今後どのような画策をしてくるか想像できる。

ラマダンに断食禁止という宗教弾圧、トルコに逃れるウイグル民族

今年もイスラム諸国ではラマダンの季節が訪れた。ラマダン(断食月)はイスラム教徒にとっては大切な宗教上の行ないで、今年(2015年)のラマダン入りは6月18日だった。断食とは言っても、昼間だけであり、日の出前と日没後は食事をする。

ラマダン期間中はタバコも吸えない。だからイスラム教徒でない人にとっては迷惑な習慣であるが、普通の国ではラマダンを禁止するようなこともなく、今のところイスラム教徒が多く移民したヨーロッパでも何とかラマダンもできるようだ。

ただし、中国では事情が異なる。中国政府は、イスラム教徒のウイグル人が多く住む新疆で、ラマダン中の断食を禁止している。これは昨年のラマダンの時にはニュースになったものであるが、今年もやはりラマダンを禁止したようだ。と言っても英語のサイトで発見したものであり、日本語のニュースサイトでは報じられていない。

禁止とは言っても適用範囲があるのだが、これは毎年のように強化されているようだ。今年は、すくなくとも党員と公務員、そして先生と生徒はラマダンには参加していはいけない。生徒というのは奇妙だが、中国政府はすでに18歳未満の宗教への参加を禁止している。ラマダン期間中、レストランは昼間は休業であるが、中国政府は飲食店に対してラマダン期間中でも開業する事を強要している。

これに先立ち、中国政府はウイグル人の小売店に対し、酒とタバコを販売するよう命令した。昼間に断食しようがしまいが、自分の店で酒・タバコを売ろうが売るまいが本来自由であるはずだ(売る場合にはしかるべきライセンスが必要だが)。中国共産党は、ウイグル人社会から宗教を少しずつ削り取っていき、民族としての一体性を葬り去ろうとしているのである。

イスラム教徒にラマダン中の断食を禁止する、というだけでもウイグル人に対する弾圧がいかに厳しいかが分かるが、事態ははるかに深刻である。絶望したウイグル人が次々に国外に亡命しているのである。監視の厳しい新疆からどうやって亡命するのかというと、漢民族の警官に賄賂を渡して何とかベトナムやラオスなどの国境まで辿りつき、そこから何とかしてマレーシアまで移動し、そしてトルコを目指すのである。トルコ人はもともと中央アジアから西に進んできた人達であり、民族的に非常に近いからである。

ところが、途中でベトナムやカンボジアで密入国者として逮捕されると、中国に送還されてしまうのである。目指す国がトルコであり、トルコが受け入れる準備があるなら、中国に送還する必要はないはずだ。理由は不明だが、一旦中継国となると亡命者が殺到するようになる事を恐れてではないだろう。中国を恐れているのである。

現在、タイには何百人というウイグル人が収容されたままの状態にある。ラジオ自由アジアは、無事トルコ入りした少女が、タイで拘束された家族を自由にして欲しいというメッセージを掲載しているが、日本のメディアではまだ注目されていない。最近ではロヒンギャ族がミャンマーから迫害されてタイに流れつくニュースが多いが、ウイグル亡命者のことが注目される事はない。途中でウイグル人だという事が分かると祖国の家族に危害が及ぶため、彼等はメディアを通じての同情に訴える事も出来ないのである。

中国政府は、ウイグル人にはパスポートを発給しない。新疆から東南アジアを経てトルコに辿りつくのは途方もない冒険であり、途中で捕まったり死亡したりする危険はかなり高いだろう。それだけ漢民族のウイグル支配が苛烈である証拠であるのだが、日本のメディアは中国政府の取材統制を口実にウイグル問題については黙殺している。特に最近は左翼メディアにとって安倍政権打倒の重要局面であり、わざわざ中国共産党の危険性を伝えるような事はしないのである。

日本人の誰も戦争をする気がないのに日本が戦争をすると主張する不思議

次のような質問を、周りの日本人にしてみよう。「あなたは、どこかの国と戦争してみたいですか。」

間違いなくほとんどの人は否定するだろう。誰も戦争は望んでいない。誰も戦争を望んでいないのに、あなたが戦争に参加するとすれば、日本が侵略の脅威に晒されている場合であり、その時は祖国防衛のために何らかの形で戦争に参加する事になる。

集団的自衛権に関する安保法制は、誰か戦争をしたい人達がいて、その人達のために制定される法律ではない。自民党や公明党は戦争がしたくて安保法制を通過させようとしているのではなく、日米安保の強化こそが、東アジアだけでなく世界の平和に寄与するからである。

一方で、安保法制に反対する勢力は、あたかもどっかの誰かが戦争をしたくて仕方がないかのように安保法制を語っている。一体、どこの誰が日本を戦争に引き込もうと画策しているというのか。ハルマゲドンをたくらむフリーメーソンが自民党を操っているのだろうか。それともアメリカの軍産複合体が儲けのために自民党を騙して安保法制を通そうとしているのだろうか。与党が、日本を戦争に参加させる目的で安保法制の成立を目指しているというのは、陰謀論の世界でしかない。

これまで本ブログでは、安全保障に関する左翼の奇妙な論理についてコメントしてきた。

日本がごく普通の国になる事自体に左翼が反対するのは、自分達に自信がない証拠だ。でなければ、日本侵略を目指す中共や対馬侵略を望む韓国の手先であろう。これら左翼が目指すものは、日本を丸裸にして中国や韓国による日本侵略を準備するものである。このため、「日本は悪い事をするが、中国は悪い事はしない」という潜在意識を日本国民に持たせる事に必死だ。

安保法制の議論は、本来は民主国家陣営の米国側につくか、人権弾圧国家の中国側につくか、という選択である。ところが現在の国会は、存在しないはずの戦争をしたがっている人達と戦争に反対する人達との対立にもってくる左翼の戦略に引き摺りこまれている状況だ。

日本は主権回復後、祖国防衛のために必要な体制だけは確立しなければならないという当然な必要性から自衛隊を発足させ、憲法をそのように解釈した。我々日本人は、現在の日本国憲法が制定されるずっと昔から日本という国に暮し、長い歴史を刻んできた。憲法よりずっとずっと前から続いている日本という国を守るということは、我々日本人にとって当然のことである。だから、最低でも自衛のために「軍隊」のようなものを持つ事を合憲とみなして、自衛隊を育ててきたのである。

現在、自民党の稚拙な行動で祖国防衛のための自衛隊ですら存在を否定されかねないような状況にある。冷戦が終結して中国が太平洋に進出しようとしている今日、日米同盟が強固である事を示さなければ中国が増長し、日本侵略の布石を着々と進める事になる。南シナ海が中国によって軍事的に支配され、太平洋も危うくなってしまっては、日本の生命線が危機に晒されてしまう。これは、東条英機が日米開戦を決断した時と同じ状況であり、むしろ戦争の脅威が増大するのである。

戦争は軍事力のバランスが崩れた時に必ず起きる。日米が分断され、日本がシーレーンの防衛もできず、中国海軍が悠々と日本近海を遊弋して、日本が中国共産党の圧力に屈しなければならない状況というものを、左翼は想像できないのであろうか。