戦後の自虐史観教育が可能にした統一教会の洗脳

安倍元総理銃撃事件により、かつて大きな社会問題となっていた統一教会の洗脳が今日まで継続していた事が明確となった。統一教会は反共団体であり、冷戦時代には韓国側につく日本国政府と深い関係があったが、冷戦後には関係を断てたはずだが、自民党はそうはしなかった。

統一教会の教義は、韓国社会特有の男尊女卑思想のもとで、韓国を男、日本を女と見做し、それ故に日本は罪深き国家であると主張するものである。日本人には到底受け入れられない思想であるが、戦後の平和教育によって第二次世界大戦中に日本が朝鮮に酷い事をした、という意識が日本人の精神に根付いてしまったため、統一教会による洗脳は容易であったと想像できる。

古いニュースになるが、従軍慰安婦問題で、日本人を代表して韓国に謝罪する日本人女性が多くいた。彼女らの多くは韓国人男性と結婚した日本人の統一教会信者である可能性が高いと言われたが、統一教会の教義を考えれば自然な事であろう。

実際、従軍慰安婦を性奴隷だとする描写は、日本人に罪悪感と贖罪意識を植えつけるに十分であり、統一教会が日本人を洗脳する上で最も有効な手段であろう。私自身の体験としても、従軍慰安婦の話が世に登場した頃には強い罪悪感と贖罪意識から、戦争に反対してきた共産党への信頼が高まった時期があるのだ。

従軍慰安婦性奴隷説は、聖書を引用して日本人がサタンの子孫だとする突拍子ない話よりは遥かに説得力のある論法であり、洗脳の入口としては手軽に始められるものだ。つまり、福島瑞穂らが広めた従軍慰安婦の虚構が統一教会の伸長に貢献しているのである。慰安婦問題は戦後左翼の創作であり昔は存在しなかったが、戦後しばらくは敗戦と自虐史観教育により日本が朝鮮人に対して酷い事をしてきた、という論理が統一教会の洗脳を支えてきた。

統一教会と政治家の関係が問題視されているが、最も重大な問題は「日本が朝鮮半島を植民地化して朝鮮人を苦しめたのだから韓国に謝罪しなければならない」と主張する宗教団体の支持を「保守派」とされる政治家が受けている、という事だ。政治家の信念と異なる主張をする団体の支持を得る事自体が有権者に対する詐欺行為である。

もちろん政治家の主張に100%合致する団体など存在しない。いわゆる業界団体というは、その業界に理解のある政治家を支持するが、憲法改正支持だとか対中姿勢だとかには関係なく投票する。しかし統一教会は韓国系の団体であり、その教義は保守の根本原則から大きく逸脱しているものだ。創価学会の支持を得るという話とは次元が違うのである。

とはいえ、左翼ではない普通の保守的な日本人でも、韓国や中国との関係で「そうは言っても日本は昔ひどい事したからね」などと自然に言ってしまうのだ。これでは日本人の贖罪意識を糧とする統一教会の洗脳を止めさせる事は難しいだろう。