韓国新大統領が直面する韓国兵による50年前のベトナム人虐殺問題

韓国では来年2018年2月に平昌五輪が開催されるが、1968年3月に発生した米軍によるソンミ村虐殺事件から50周年であり、我が国の伝統的左翼にとっては政治的に重要な時期である。

ソンミ村虐殺事件は戦争の悲惨さと米軍の非道を伝えるものであり、本来ならメディアが積極的に取り上げるべきものである。ところが近年になり韓国軍によるベトナム人虐殺の事実が知られるようになった事から、メディアにとっては多少微妙な状況になっている。ソンミ村事件を取り上げれば、韓国軍による同時期のベトナム人虐殺事件も無視するわけにはいかないからだ。

韓国軍による虐殺事件とは何か。1968年2月12日、フォンニ村の虐殺事件が発生する。韓国軍により74名のベトナム人が虐殺された事件である。その後2月24日にはハミ村で韓国兵により135名のベトナム人が虐殺された。フォンニ村の事件現場は直後に米軍が写真撮影しており、残忍な殺害方法であった記録が残されている。

韓国軍による虐殺事件は、米軍によるソンミ村虐殺事件ほどは注目を浴びる事もなく、歴史的な検証も不十分なまま半世紀が過ぎてしまった。20年ほど前から韓国の左派が掘り起こし、ベトナムの改革・開放路線により事実が知られるようにはなったが、時間の経過により真相究明は困難となるばかりで、当の韓国政府自体が謝罪をしていない。

さて、ここで注目されるのが韓国の次期大統領である。韓国の左翼勢力は反米的であり、北朝鮮に対しては融和的な態度を取る。この中には,北朝鮮に国家の正当性を認め、大韓民国の歴史的正当性を貶める事を躊躇しない極端な親北勢力もいる。

韓国の次期大統領候補は、全て親北の左翼である。支持者の中にはベトナム戦争時に韓国が犯した犯罪行為に対する謝罪を期待する者もいるだろう。しかしそれは少数派であり、歴史捏造癖のある大多数の韓国人にとっては、ベトナム戦争における韓国軍は共産主義と勇敢に闘った名誉ある人達であり、虐殺の事実を認める事はないだろう。

もし、韓国親大統領が左翼の意見を取り入れてベトナム戦争における虐殺行為を認め、謝罪するような事になれば、ベトナム戦争参加者の怒りを買う事になるだろう。その時は、韓国の政治で毎度見られるような混乱がもたらされる事になる。

もし次期大統領が韓国兵によるベトナム人虐殺を認めるとしても、朝鮮民族の特性として、自分だけ謝罪という事は決してなく、必ず日韓間の慰安婦問題とからめてくるだろう。韓国兵によるベトナム民間人虐殺の歴史に何故か日本が巻き込まれていく可能性があるのだ。

日本の左翼と朝鮮人・韓国人によって捏造された慰安婦性奴隷問題とは異なり、韓国兵によるベトナム人虐殺というのは歴史的事実である。しかし国内の左翼メディアは、ソンミ村虐殺50年の話に巧妙な印象操作を加え、韓国軍の非道を矮小化する一方で、相変らずの慰安婦捏造を繰り返すと予想され、注意が必要である。