民主主義に自信を持てない左翼

7月2日、安倍政権は集団的自衛権について閣議決定した。閣議決定の内容は長文で背景説明など無駄が多く、要点が分かりにくいが、集団的自衛権を行使できるようにした点が注目されている。従来、日本には集団的自衛権はあるが、それを行使する権利はない、という理解困難な立場を取ってきたが、今回の決定により、集団的自衛権にはそれを行使する権利が当然含まれる、というすっきりとした解釈が可能になるだろう。

今回の閣議決定に対しては、左派メディアが偏向的で扇情的な報道を繰り返し、左翼も極端なホラを駆使して安倍政権を軍国主義者扱いしてきた事もあり、国民の間でも反対意見が多いようである。

左翼の主張には、「徴兵制が導入される」とか「アメリカの戦争に日本の若者を動員する」、「時の政権の判断だけで戦争できる」など、あたかも日本が戦争に向ってまっしぐらという印象を与えるものが多い。その雰囲気に飲み込まれて反対している人も多いだろう。

そもそも集団的自衛権と徴兵制には何の関係もない。そんな事のために徴兵制を導入するには憲法を改正しなければならないが、わざわざそうまでして徴兵制を導入する合理性はない。徴兵制は自衛隊の戦力にとって有利ではないからだ。そもそも、一体、誰が何の目的で徴兵制を導入しようというのか?時折、若者の根性を鍛えるためにも徴兵制を、という意見は聞かれるが、正気の沙汰ではなく、本気ではないだろう。

もし徴兵制を導入しようとする動きがあれば、その時に反対すれば良い。私も当然反対する。日本は民主主義の国であり、徴兵制のような間違った制度が導入できるはずがない。それとも、左翼は徴兵制についての議論に勝てないと思っているのだろうか。

「集団的自衛権の行使は時の政権が勝手に決める」と左翼は言うが、その「時の政権」とは誰が選択するのか。我々国民ではないのか。左翼は国民を信用していないのか、日本が民主主義の国ではないと思っているのだろうか。もちろん国民も間違った選択をする事はある。民主党政権の登場がそれだが、国民世論で政権を倒す事が出来た。

今回の閣議決定は、確かに読みにくい文章ではあるが、左翼が主張するようなものを決定した内容ではない。徴兵制やら戦争参加は別次元の話であり、日本が民主主義の国である限り国民が決定できる話である。

もし時の政権が国民の意思とはかけ離れた政策を実施してしまうものなら、日本の民主主義に欠陥があるという事であり、憲法改正が不可欠であろう。