ソンミ村虐殺事件からもうすぐ50年

ソンミ村虐殺事件とは、1968年3月16日に米軍がベトナム人住民504名を無差別射撃で虐殺した事件である。反戦平和活動家や左翼政党が好んで話題にする事件であり、約半世紀を経た今日でも、戦争反対または反米、反安保の文脈で語り継がれている。

日本共産党の機関誌でも、もちろん度々取り上げられており、最近では政権批判の際に従軍慰安婦問題とからめて論じられる事もある。

ところで、ベトナム戦争には韓国軍も参加している。これは韓国国会の同意(1965年8月13日)を得て実現された。韓国にとってベトナム戦争は戦争特需を生み、漢江の奇跡と呼ばれる経済成長を遂げる要因の一つともなったが、同時に民間人虐殺という戦争犯罪の汚点も残す結果となっている。

韓国軍が行なった民間人虐殺事件には以下のようなものがある。

場所 発生時期 犠牲者
タイヴィン 1966年1月23日~2月26日 1200人
ゴダイ 1966年2月26日 380人
フォンニィ・フォンニャット 1968年2月12日 約70人
ハミ 1968年2月25日 135人

 

殺害の方法は、村民を1箇所に集めて至近距離からの銃殺や刺殺、手榴弾による爆殺であった。上記の虐殺事件はWikipediaに掲載のものであるが、その他の場所でも韓国軍は蛮行を繰り返しており、特に女性に対しては集団レイプの後に殺害する等、猟奇的な虐殺を行なった。

ベトナム戦争時に韓国軍が民間人を虐殺した事件については韓国政府も認めているが、日本国内では最近になって嫌韓ブームの中で語られているのみであり、主要メディアや日本共産党などの左派勢力は黙殺している。特に、ソンミ村の虐殺事件については大々的に取り上げ、現地の追悼式典にも人を派遣している日本共産党の沈黙ぶりは異様である。

さて、2016年からこれら事件が次々に50周年を迎える。これまではソンミ村だけがニュースになってきたが、今回は韓国軍による虐殺事件も注目を浴びるだろう。ネットを通じて広く知られるようになりつつあるからだ。

韓国では2018年に平昌冬季五輪が開催されるが、その最中にフォンニィ・フォンニャット村及びハミ村の虐殺事件が50周年を迎える事になる。日本の報道は五輪一色になるだろうが、そのような中でこの50周年がどう扱われるのか、興味あるところである。