安倍政権が閣僚の問題で危機に晒されている。比較的高い支持率を維持している安倍政権も、今年の春先は集団的自衛権の行使容認の問題で左翼メディアのプロパガンダ型報道の影響で打撃を受けたが、最近は何とか持ち直してきた所だった。
安倍政権は、平成21年(2009年)から続いた民主党政権があまりにも酷かった事を理由として高い支持率を獲得していたのだが、民主党の登場で日本社会が反日左翼に汚染されていた事に愕然とした新規の保守派の支持も大きかった事を忘れてはならない。本来、安倍政権は戦後レジームの脱却を掲げて登場したはずであり、その路線を進むべきであった。
戦後レジームからの脱却には、中国・韓国からの反発だけではなく、アメリカはじめ国際社会からの批判も覚悟しなければならない。それを恐れていてはいつまでも改革は不可能であり、いつかは必ず通過しなければならないのだから、中国や韓国、そして反日左翼のオウンゴールが続いている安倍政権下でこそ実施すべきである。
ところが、この政権は発足早々に大きな間違いを犯してしまう。東京五輪の誘致を成功させてしまった事だ。東京五輪が開催される事になったため、日本は世界に向けて、仲が良く、行儀良く、嫌われないような振舞いが求められるようになってしまった。
政権発足当初の期待とは違い、安倍政権は良い子路線を選択する事で政権を維持する事を選択した。安倍首相は、靖国参拝については結局1度だけで封印してしまい、河野談話の見直しも実施しない方針を明確にした。中国の尖閣領海侵犯に対しても及び腰で、アメリカの介入には従っている節がある。
欧米で安倍首相について言われている、歴史修正主義者とか極右とかのイメージを払拭する事が優先してしまっているようだ。実際には海外のイメージは朝日新聞はじめとする反日左翼メディアがつくり出しているものだ。
安倍首相が内閣改造で女性を多数起用したのも、良い子路線の一つである。そもそも女性議員自体少ないのに、無理をして女性大臣を任命したため、本来は安倍カラーは外れる女性も大臣になってしまい、一体何をしたい内閣なのかが分からなくなってしまった。高市早苗はともかく、日中議連の松島みどり、親中派と噂される小渕優子は疑問だ。
そして良い子になろうとして組閣した内閣が、実は現政権にとって大きなリスクとなっている。うちわ問題はどうでも良いが、小渕経産相の政治資金問題は安倍政権にとっても大きな痛手となる。大臣を辞職する程の問題だったとすれば、どうして安倍首相は事前に把握できなかったのだろう。
この問題は、女に先を越された自民党議員の嫉妬からリークされたのかもしれないし、日中関係を潰したい勢力(韓国派議員?)が仕掛けたのかもしれないし、単に民主党の手柄だけなのかもしれない。消費税論議を邪魔して増税を実現させたい官僚が裏にいるのかもしれない。ひょっとしたら安倍政権を潰すための中国当局の深慮遠謀で、実は小渕氏自身共犯なのかもしれない。いずれにしても、安倍政権には良くない状況だ。
今後とも、安倍政権は良い子路線を進める可能性が高いが、その代償は大きい。今の日本にとっての良い子路線というのは反日勢力に対する政治的妥協でしかない。では、その目的は?
安倍首相があらゆる譲歩をしてでも実現させたい事。それが見えない。