リビジョニスト、正確にはHistorical Rivisionist(歴史修正主義者)というのは、正しい史実で評価された歴史認識に対して、捏造された物語によって歴史の解釈を変更しようとする者、という否定的な意味で使用されている。具体的にはナチスによるホロコーストは無かったものとして歴史を再解釈しようとする欧州の極右主義者を非難する際に利用されるが、同時に戦前の日本国政府や日本軍、朝鮮総督府などの行為を肯定的に評価しようとする者に対して極右のレッテルを貼る際に利用されている。
リビジョニストというだけで、あたかも虐殺や人権弾圧まで肯定しているかのような悪者扱いするような効果があり、単に新たな研究により従来史実とされていた出来事に異を唱えているだけという歴史家を攻撃する際にも有効な言い回しとなっている。
従来無視されてきた資料や新発見となる資料で、これまでの歴史解釈に変更を加える事は別におかしな事ではなく、批判されるものではない。しかしその新解釈を不服とする勢力にリビジョニストと呼ばれるリスクは覚悟しなければならない。
これまで学校教育以上の歴史認識がなく、マスコミの反日報道に洗脳されていた人達が、ふとしたきっかけで歴史に興味を持ち、保守的な思想に染まっていく。これを世間は右傾化と呼んでいる。政治の世界では、靖国神社に参拝しただけでリビジョニスト扱いだ。アメリカでは日本のメディアの宣伝だけで安倍首相にリビジョニストのレッテルを貼っている。
さて、今日の日本では東京裁判は確定されたものとして、受け入れている世論が大勢だ。東京裁判、つまり極東国際軍事裁判では被告側の証拠は全て却下され、連合国側の証言だけが採用されるという不公平な環境で進められ、戦勝国側の一方的な判断が下された。その事は当時多くの日本人が承知していたが、日本が主権を取り戻すために仕方が無い事として受け止められ、今日ではその結果に異議を唱えるものは小数派だ。
ところが、この東京裁判さえ見直さなければならないような事を主張する勢力がある。いわゆる従軍慰安婦という捏造話を持ち出し、日本に謝罪を要求している連中だ。
東京裁判では、「平和に対する罪」などを立証する様々な証拠・証言が提出された。日本側が反対の証拠を出しても却下されるのだから、立証のためには何でも利用できた。しかし今日、韓国人や反日左翼が主張するような内容(朝鮮半島で幼い少女を拉致、強制連行して性奴隷として利用)に関する証拠・証言の類は何一つ議論されなかった。
東京裁判は1948年に終了し、日本は1951年のサンフランシスコ平和条約でこの裁判結果を受諾している。
その後、日本はアジア諸国との間で戦後の清算を進めていく。韓国とは1951年から交渉を続け、1965年に日韓基本条約を締結した。その間、10年以上にわたり、韓国側からは従軍慰安婦問題は提起されていない。理由は簡単で、そのころはまだ従軍慰安婦の物語は創造されていなかったからだ。
従軍慰安婦問題というのは、上記の流れに捏造した物語によって異議を唱えるもので、韓国や国内左翼はその意味でリビジョニスト達だ。彼等の成果は河野談話であるが、それには満足せず、更なる歴史修正を要求しているのが従軍慰安婦問題である。