日本共産党をはじめとする左翼は、日本が「過去の清算」をすべきだと主張し、アジア諸国に対して謝罪と補償を要求している。国民に負担を押しつける事により、自分達の歪んだ歴史感を正当化したいからなのであるが、それ以外にも理由がある。日本に対する金品のたかりだ。左翼にも中国系、韓国系、朝鮮系とあるが、要するにお金の強請なのである。
左翼の要求は底無しである。それは、彼等が第二次世界大戦中の話だけはなく、「近代以降」という表現を使っているように、どこまでも遡って日本を悪者にしようとしている事からも明らかである。
現在、「過去の清算」については北朝鮮の扱いが問題である。原則論で言えば日韓基本条約で北朝鮮の分も含めて解決済みであるが、北朝鮮はもちろん、韓国まで賠償金の二度取りを狙っている。そして悲しいかな、日本の反日左翼が日本側の世論を間違った方向に誘導しており、日本側の原則論が揺らぐ可能性もある。
そこで落とし所は、日本による北朝鮮へのODA供与という事になろう。北朝鮮が崩壊して韓国に併合されると、もはや先進国の韓国にODAというのも変になるが、そこは役人の作文で何とか出来る。
問題はODAの規模と内容であるが、それを決めるにあたり、反日左翼よりも更にやっかいな勢力がある。ゼネコンや商社である。
今から10年前、2004年10月にゼネコン大手の10社が訪朝団を結成し、日本を出国したものの国内世論を背景に訪朝を断念、鴻池組、東亜建設工業、西松建設の3社のみ訪朝した事があった。ゼネコンが訪朝したのは、小泉政権による北朝鮮拉致被害者帰国により日朝関係改善が進み、上記のODA供与のための下準備が必要だったからであるが、横田めぐみさんの生存を信じる国内世論がそれを許さなかった。
これらゼネコン大手は売国奴扱いされる事になってしまったが、彼等が思想的に反日左翼という訳ではない。保守派だろうが右翼だろうが、ビジネスの世界では国益より会社の利益が重視される。上記のゼネコンは「過去の清算」を主張するために動いたのではなく、ビジネスの世界の付き合いとして訪朝しようとしたのである。表向きは朝鮮総連の招待となっているが、小泉政権による斡旋があったと見るべきだろう。
さて、半島情勢も大きく動きつつある。日本が対北経済資金協力に向けた情報収集に動き出す時期はすぐやってくる。そのため外務省や経産省など官僚機構も体制を整え、ゼネコンや商社、電力会社なども動き出すだろう。北朝鮮におけるダムや発電所開発などのプロジェクトリストが作成され、資金協力規模を決める際の目安となるだろう。そうなると反日左翼もビックリの金額が国民の知らない所で決定される事になる。一旦総額が決まれば、本邦企業はそのODA利権に群がるため、在日を雇い、北に事務所を構える事になるのだ。
対北資金協力が具体化するにつれ、在日や左翼は金額を釣り上げるため歴史キャンペーンを繰り広げるだろう。ODA利権に浮き足立ったゼネコンや関係する政治家は早期決着のため左翼の主張を取り入れるかもしれない。また、日本統治時代に建設されたダム等のインフラの紹介や、それに感謝する北住民、そしてそのインフラを日本の技術で蘇えらせる、という操作報道により、日本人の心をくすぐり、反日でない日本人の理解も得ようとするだろう。
日本の官僚機構は一旦動き出したら止まらず、粛々と予算消化を進める。反日ではない日本企業も同じだ。役所に付き合って北朝鮮における事業形成に邁進するだろう。拉致問題を焦点にした日朝交渉であるが、その後の経済協力については、将来的にODA利権のために日本が歴史認識まで譲歩される事が無いよう注目しておく必要がある問題だ。