岸田外務大臣は2015年12月28日に訪韓先で慰安婦問題の最終解決に合意した。しかし、その直後から韓国国内で猛反発に遭い、元慰安婦とされる人達は、すでに謝罪の受け入れを拒否している。つまり、合意したその日のうちに最終決着ではない事が示されたのである。
今回の日韓合意は、日本側が元慰安婦の嘘に対して明確な形で反論していないため、「当時の日本軍がトラックで村々をめぐって朝鮮人少女を拉致して荷台に押し込め、性奴隷としたことに謝罪した」と判断されかねない行動である。そのように左翼が主張した際、国あるいは与党政治家が反論した時点で、韓国側から合意違反と見なされるであろう。
政府は慰安婦像撤去を要請しているようだが、論理的に破綻している。大使館前の像は合意の有無とは関係なく撤去すべきであるが、例えば民地における像は撤去できない。
アメリカが原爆投下について正式に謝罪したとしたら、広島・長崎の原爆記念館を撤去するのだろうか。出来るはずがない。ドイツがユダヤ人に謝罪したら、アウシュビッツ記念館は閉鎖されるとでも言うのだろうか。歴史の真実である限り、政府間で何が合意されようと、記録は記録で残り続けるのだ。
そもそも捏造された強制話をいつまでも続けているのは韓国の民間人である。韓国は一応は民主国家であり、韓国国民の支持しない合意など、全く意味がない。政府自体が約束を守らない国である。政権が交代したらご破算で、安倍首相の謝罪だけが歴史の史実として残る事になる。
最終解決とは、慰安婦は有給の性風俗産業に募集してきた売春婦であって、しかも児童は含まれていなかった、という事の確認である。
保守系の人間は今回の決定には間違いなく憤慨している。韓国側の混乱ぶりを見て喜んでいるのは単なる嫌韓派だ。このような人達は、従軍慰安婦問題が世に登場してから四半世紀以上にわたって日本の名誉回復のために苦労してきた人達のことを知らない。
安倍政権が朴政権を追いつめた、などというのも妄想だ。その証拠に日韓関係改善に期待する与党政治家の発言も登場している。保守派の反発を予想したうえでの日韓合意である。日韓関係を早急に改善しなければならない、何か大きな理由があったのだろう。先祖ばかりか、現在の日本人そして子孫にまで汚名を着せてまで日韓合意に到達したのである。当然、それによって日本が得るはずの国益を示さなければならない。
ポイントは韓国が中国の側から、本当に日米の側につくかどうかだ。
第一に、尖閣周辺で領海侵犯を繰り返す中国船を駆逐してもらいたい。日本漁船の操業も認める事。あたりまえの話だ。日韓合意にはアメリカが歓迎しているのだから、当然、日本の行動を支持するだろう。
第二に、韓国が離米従中を止める証として、日米韓の三国艦隊を南シナ海に派遣し、中国が勝手に領有を主張している岩の周辺を遊弋すること。
第三に、韓国政府が日本の安全保障法案成立を歓迎するとともに、日本の憲法9条廃止を主とする憲法改正を支持すること。
要求したい事はもっとあるが、最低でも上記の三つは実現してもらいたい。今回の日韓合意の流れで日韓スワップ協定やら平昌オリンピック支援やら韓流復活をやるようでは、安倍政権もおしまいだ。