日中緑化交流基金への100億円拠出(最終的には90億円)は、昨年(2015年)末に突然登場した話で、国会での議論も経ずあっさり補正予算で可決してしまった。徹底的に議論された安保法制とは大きな違いだ。
昨年末にニュースに登場して以降、中国で植林活動をしている団体に国庫から補助金を拠出する、という件についてネットで色々調べたが、日中関係については深刻な状況にあることが分かってきた。親中団体を通しての中国共産党の浸透ぶりは今後とも調査するとして、今日は本ブログで中国緑化事業に反対している理由を要約する。
1. 植林が必要なら、中国の資金を投入すべき
中国は、今やGDPで日本の2.5倍の規模を有する経済大国である。国内の環境問題については、自らの資金で解決する事が大国としての責務である。中国は海外の途上国に多額の援助をして影響力を拡大し、軍事力を増強してアジアの平和を脅かし、日本の森林や不動産を買い漁っている。このような国に日本の税金で資金を提供する理由はない。
2. 中国での植林は、日本の若者に罪悪感を植えつけている
日本の若者が中国の大地を緑化する理由は何だろうか。日中緑化交流基金による植林事業の場合、反日左翼や親中派が積極的に関わっている。彼等の動機は、「かつて日本は中国に悪い事をしたのだから、その罪ほろぼしとして、中国に貢献する」というのがある。支那の禿山、砂漠に一本一本、苗を植える行為、それ自体が日本の若者に罪悪感と罪ほろぼしの意識を植えつける贖罪行為となっている。
3. 中共による日本懐柔にはなるが、漢民族を親日にすることは出来ない
中国の植林事業に参加している団体のほとんどは、「仲良くすれば戦争は避けられる」という考えを持ち、日本側が友好態度を示せば、日中間は平和だと思っている。もちろん、彼等の言う友好態度というのは日本の一方的な譲歩であり、日中間の平和とは日本が中国の覇権を認めるという事を意味している。そもそも日本人と中国人がそれぞれ1対1に友人となっても、中国の1割としか友人にはなれない。中国の反日世論に、植林事業は全く無力である事は証明されているのだ。
4. 基金の存在が中共の活動拠点を提供している
緑化事業は、中国側の協力がなければ不可能であるが、ほとんどの場合、中国共産党傘下にある中華全国青年連合会が仕切っている。当然、緑化事業を通して日中の人材交流が進むわけだが、中国共産党の人材が日本に送りこまれ、日本国内に活動拠点を形成するきっかけとなっている。彼等は日本の林業界との交流を通し、日本での山林資源確保のための情報を入手している事であろう。
5. 国内の反日左翼の活動を支えている
NPO団体であっても、完全ボランティアでは組織の継続は困難であり、何らかの活動資金が必要だ。緑化事業を実施している団体には、日中緑化交流基金が創設されてから設立された団体も多い。つまり、基金の存在が既成団体の存続を助けているばかりか、新規の団体を設立させる要因ともなっている。基金を利用している団体には、IFCC国際友好文化センターのように明らかな反日左翼団体もある。
6. 西域民族の漢化政策の片棒を担っている
砂漠の緑化とは言葉は良いが、遊牧民を定住化させる、という明確な目的もあり、また漢民族の生活領域を西へと拡大する役割もある。