普通の朝鮮人である北朝鮮の指導者達

北朝鮮の国民が窮乏生活に苦しんでいる中、日本にいる朝鮮人達は反政府運動を組織しないばかりか、むしろ現在の金政権を支持している。貧しい祖国だが自由で民主的な社会で人々は幸福だ、というのであれば理解もできるが、北朝鮮は独裁国家であり、国民は弾圧されているのだ。彼等は同胞の解放、といった事は考えないのだろうか。

在日朝鮮人は、北朝鮮の国民とはまるで比較にならない程の豊かな生活を享受している。日本に滞在し、仕事も出来るという権利のおかげだ。その彼等が金正恩を支持するのは、恐らく民族の名誉、誇りといったものだろう。

かつて朝鮮人の歴史において、アメリカほどの超大国を相手に強気な態度を示すような事はなかった。韓国はサムスンのような世界的大企業が登場し、民族の自尊心を満足させているが、軍事力による威圧の方が民族のプライドをくすぐる。そして、その栄光に浸るうえで、本国の同胞が塗炭の苦しみに喘いでいても、それは仕方がないと思っているのである。

生存を保障された屈辱的な豊かさよりは、名誉の中で生きる困窮の方が良いという思想を国家レベルで考えるのが右翼だとすれば、在日朝鮮人達は筋金入りの極右である。自分の国が強く見えれば、国民が弾圧されようが飢えようがかまわない。もちろん、日本で生活している自分達の事は除外しての話だ。

よく「政府と普通の国民は違うよね」という言い方をする人達がいる。人間同士のつきあいは、その人が属する国家ではなく、各人の個性が重要だという話であるが、同時に中国人や朝鮮人を擁護する方便として使われている。つまり、政府は日本の悪口を言うが、普通の国民は仲良くできるよ、という主張である。

これは、実は間違った考えである。政府というのは、それを生み出した国民の個性を強く反映している。それが個々のものであれ、集団のものであれ、同様である。しょせん、国家というものは普通の国民一人一人が集合して出来上がったのだ。

たとえ独裁国家であったとしても、それを許す環境というものは、その国家が基盤とする民族の特徴が作り出したものだ。もちろん、異民族支配の場合は話は別だが、漢民族や朝鮮民族を支配している現在の政権は、まさに個々人の漢人、朝鮮人の姿を反映しているのであり、つまり現政権こそが、普通の国民そのものなのである。

日本を例に考えれば理解しやすいだろう。野党の混乱ぶりは、政治家がバカなのではなく、いや、バカなのだが結局は日本人の姿そのものなのだ。政治家が根回しを重視するのは和の文化であり、なかなか強いリーダーが登場しないのも、日本人そのものである。国会で起きている事は、日本人の長所も短所も含めた日本社会すべての投影なのである。

北朝鮮は疑いもなく異様な国家である。しかし、それは金一族の存在だけが特殊なのではない。金一族は支配王朝ではなく、朝鮮人の王朝だ。そしてそれは朝鮮人社会特有の文化や思考が結実した成果なのである。