どの国で語られている歴史が正しいのか

韓国は日本人が歴史に関しては嘘つきだと本気で信じている。一方、中国は平然と嘘をつく事による政治的プロパガンダ効果を十分理解した上で、日本が嘘つきだと主張している。日本は、もちろん自分達の方が真実を語っていると思っている。

歴史というものは、国家が正史として定めたものが必ずしも真実というわけではない。学問の自由と言論の自由、そして民主主義が発達し、科学的思考方法が成熟した国家においては、嘘は自然淘汰されて真実が残るものだ。もちろん、プロパガンダとしての嘘は残るが、透明性の高い民主国家でかつ民度の高い国であれば、自然と真実の歴史が語られるようになるはずだ。

韓国はどうだろうか。長く軍事政権が続き、80年代後半に一応、民主化された国である。しかしながら、国家全体が反日思考に染まり、親日派は弾圧を受け、少しでも日本寄りの発言をすると大変な事になってしまう国だ。韓国の言論封殺は具体的なものであり、例えば親日的なホームページは削除されてしまう。最近では「テキサス親父」のYoutubeは遮断されてしまった。

中国はどうか。中国共産党が定める事だけが事実となっている国家である。真偽を確かめようにも報道の自由がないため検証出来ない。

日本では、1945年から1951年までアメリカの占領下にあって自由な報道が制限され、公職追放によって特定の考えを持つ人々が追放されたが、主権回復後は言論の自由が獲得されている。もちろん敗戦という歴史経緯及び戦勝国アメリカの監視があるという特殊事情があるので、その辺は考慮しなければならない。

一方、言論が自由である国では、捏造さえも蔓延してしまう危険はある。それがマイナーなテーマであれば反論検証する機会も失なわれてしまう事もあり得る。それでも検証可能な事実をもとに議論する土壌があれば、歴史の間違いは正されていくはずだ。

従軍慰安婦問題の原点とも言える吉田清治の証言は、早い時期に嘘である事が判明した。これは自由な取材活動と民主主義の土壌があって可能な事であった。しかしながら、吉田清治の嘘をもとに従軍慰安婦の報道を続けた朝日新聞のようなメディアがあるために、国民は無駄な議論に時間を費やする事を強いられてしまった。

韓国は日本における従軍慰安婦問題の議論を、右翼の妄動だと主張している。しかし日本における言論の動向は日本の民主主義、言論の自由の結果なのであって、右傾化なのではない。朝鮮戦争時の米軍慰安婦やベトナム戦争時の韓国軍による婦女暴行が封殺されているような国と、右翼から共産主義者まで議論に参加できる国と、どちらでより真実が語られているだろうか。