三峡ダムより深刻なメコン河のダム建設

長江流域で大洪水が発生し大雨の被害が多発している。この中で注目を浴びているのが三峡ダムで、雨量が激し過ぎて、下流域を守るために雨水を貯蔵すると上流が氾濫し、上流を守るために放流すると下流が洪水被害に遭うという状況にあると言う。

三峡ダムは従来から決壊の可能性が指摘されているが、技術的な点は専門家の分析が必要なのでダムが崩壊するかどうかは不明だ。しかし今回のような大雨でダムの上流と下流のどちらかが犠牲になるというのは、三峡ダムに洪水防止の機能が無いという事である。

巨大なダムは運用を間違えれば下流域に甚大な被害を与える。もしダムの水量調節の権限が外国にある場合、下流域の国は生活の安全をその国に握られている事になる。それが現実となっているのがメコン河である。

メコン河流域では昨年深刻な旱魃の被害に見舞われた。メコン川の流量減少が最大の理由であり、その原因は上流側にある支那のダム建設である。タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムを流れるメコン川の水量が減少していた同時期、上流にある11のダムはむしろ平均以上の水位を維持していた事が衛星測定から明らかとなっている。

中国共産党はメコン河上流にあるダムにより、インドシナにおける支配力を高めている。下流の国は農業や漁業を守るため常に中国共産党の顔色を伺う必要があるのだ。三峡ダムが決壊すると長江下流域の都市は壊滅的打撃を受けるだろうが、所詮支那国内での話だ。水位調節次第で下流を危険に晒す事が出来るメコン河のダムの方がより深刻な問題であろう。