朝日新聞の仇を韓国政府が討つ異様な構図

産経新聞のソウル支局長がネットの記事で朴大統領を名誉毀損したとかで、出国を禁止されたうえ、ソウル中央地検に事情聴取を受けるという異常な事態となっている。

問題となっている記事は今年8月3日に産経新聞のネットで掲載されたので、朴槿恵大統領のセックススキャンダルを報じているのだ。ソウル中央地検は8月8日に産経新聞ソウル支局長に対し出頭を要請した。

記事の内容自体はセウォル号の事故当日における朴大統領の行動が韓国社会の関心を呼ぶ中で、男と会っていたのではないか、という説を取り上げて政権がレームダック化している事を印象づけようとしたものである。ネットの文章にしては長文で、私も読んだが退屈で特に何か問題となるような記事ではない。

韓国当局が、夕刊紙のゴシップ記事のような、しかも日本語で書かれたネット記事に過剰に反応し、言論弾圧とも言える強圧的な対応をしている理由は明らかではない。しかし、背後には従軍慰安婦問題をめぐる日本国内の朝日新聞批判との関係があると考えて良いであろう。

朝日新聞は8月5日朝刊で慰安婦報道の検証記事を掲載し、吉田清治の捏造話にもとづいた記事を30年以上経過した今になって取り消した。しかしながら謝罪は一済なく、「強制連行の有無とは関係なく日本が朝鮮人女性を性奴隷とした」などというデタラメな主張に固執する記事内容となっている。

これには世論が激しく反発し、朝日新聞に対して謝罪や朝日新聞社長を国会に証人喚問すべきという意見も噴出する結果となった。

韓国は日本国内の朝日新聞への批判に危機感を感じたのであろう。朝日新聞批判を大きく取り上げる産経新聞の記者による記事に目をつけ、あえてメディア弾圧の姿勢を示す事で、日本国内における朝日新聞批判を牽制しているのである。

韓国の狙いは日本国内で「報道の自由」が声高に叫ばれるようになる事である。日本では「平和」、「戦争」、「徴兵制」などのようなワンフレーズで集団的自衛権行使容認の議論が封殺されたような状況になったが、「報道の自由」を言わせる事により朝日新聞に対する国会での証人喚問を阻止しようとしているのではないか。

韓国は日本のメディアを操る事により日本を間接支配しようと目論んでいると考えるべきであろう。特に朝日新聞は、韓国にとっては重要な反日メディアである。朝日新聞を救い、産経新聞を叩く事は反日韓国の利益にかなうものなのである。