戦後の歴史教育は昭和時代の戦争については、「日本がアジアを侵略し植民地支配した」という要約のみ伝え、いつ、どこで、何が起きていたかという事実関係についてはあまり教えていない。たまに具体の話をする時は、日本兵が民間人を殺していたとか、強姦していたとか、真偽不明のエピソードに終始しているのが現状だ。このため海外に出た際に恥をかくような勘違いをしたままの日本人が多いようだ。
実際にアジアにおける植民地支配とはどういうものであったのだろうか。個別に見てみよう。
ベトナム
日本がベトナムに進出したのは、当時ベトナムを植民地支配していたフランスの合意にもとづくものであった。ただし、その時の仏国政府はナチスに支配された後のヴィシー政権である。第二次世界大戦後はフランスを相手に独立戦争を闘い、1954年に独立を達成。
ラオスとカンボジア
1953年にフランスから独立。
タイ
第二次世界大戦中、日本軍が進駐していたが、植民地だったわけではなく、ずっと独立国である。
ミャンマー(ビルマ)
19世紀を通してイギリスの植民地となる。日本軍の進駐によりイギリスの植民地支配は一時期崩れる。1948年にイギリスから独立。
マレーシア
19世紀にイギリスの植民地化が進む。第二次世界大戦で日本が占領。戦後はイギリス連邦の一員として独立。
シンガポール
イギリスの重要な植民地であった。日本は1942年から1945年まで占領。その後イギリスが植民地支配を継続。1957年にイギリスからンマラヤ連邦として独立。1965年、マレーシア連邦から独立。
インドネシア
17世紀のころからオランダが植民地として支配。1942年から1945年まで日本が占領。日本軍政下の統治は植民地と言って良いかもしれないが、日本はインドネシアの独立を画策するも実現せず。第二次世界大戦後、オランダに対する独立戦争を開始、1949年に独立を達成。
パプア・ニューギニア
オーストラリアの委任統治領であった。第二次世界大戦で日本が一部占領。1975年にオーストラリアから独立。