タブロイド化が心配な産経新聞

8月上旬に産経新聞の記者が韓国でネットの記事が原因で韓国から出国を禁止されるとう事件が発生した。同時期に朝日新聞の慰安婦問題誤報が大騒動となったので、それとの関係もあるのだろう。韓国の対応は言論の自由に挑戦する野蛮な行為であり、朝日新聞のような大メディアこそ声を大にして非難すべき問題である。

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一方、産経新聞の方も、記事の内容が夕刊フジやらゲンダイ、東スポ並みの内容であった事は反省すべきであろう。女性大統領がこっそりどこかの情婦と密会していた、などというのは、朝日・読売・毎日などと肩を並べるべき新聞としては書きっぷりに慎重であるべきであった。

最近、どうも産経新聞の記事が、タブロイドのように見出しで釣っておいて中身の薄い記事で誤魔化すような傾向にあるような気がしてならない。ブログの場合は、当ブログもそうだが、中身はなくても見出しには気をつかってなるべく注目されるような見出しにする傾向にある。それは出来るだけ多くの人に見てもらいたいための工夫であるが、大新聞がそれを真似てはいけない。見出しは記事を端的に伝えるものでなければならない。

ネットで注目されたい気持ちは分かる。しかしネットで利益を上げるにはページを広告で埋めるか、有料化するしかない。しかし前者は新聞としての中立性や品位を損ねるし、後者はリスクが高い。やはり新聞としての格式や品位を維持した上で存続を図るべきであろう。

産経新聞の記事は、それでもまだ毎日新聞や東京新聞の記事や社説に比べれば正常だ(あくまで当ブログのテーマに関係のある分野の話だが)。それだけに、まともな新聞として節度のある記事を掲載し、タブロイド紙のようにならないようにしてもらいたいのだ。

朝日新聞の誤報問題では読売新聞や産経新聞が積極的に取り上げ、毎日新聞も騒いでいるが、これらはあまり高級紙とは言い難い騒動である。局外中立でひそかに高級紙としての印象を強めているのが日経新聞である。

産経新聞は、もともと産業経済新聞であって、そのライバルは日経新聞であるはずだ。もはや経済記事では圧倒的な差があるとは言え、産業界の期待に沿えるような硬派の記事を書くべきであろう。

読売新聞があるじゃないか、と言っても、読売の場合は巨人軍を抱えており、一般の人に広く読まれる新聞としては限度がある。

新聞記事をもとに面白いタイトルを考えるのは、ブロガーの楽しみとして残しておいてもらいたいものである。