三峡ダム決壊の責任を誰に押しつけるか

三峡ダムが決壊した場合、当然責任問題が生じる。中国共産党は責任問題を権力闘争に利用すると予想されるが、建設に関与した外国企業に責任転嫁する可能性もある。

海外企業は主に発電機や変電所など電気設備に関与しており、土木やダム躯体工事はおそらく大半は現地企業によるものだ。このためダムが決壊しても海外企業の責任とはならないであろう。

しかし三峡ダム決壊は中国共産党の政治支配を揺がす大事件となりうる。責任回避のため、あらゆる工作をする可能性は捨てきれない。ひょっとしたら決壊の兆候が見えた段階で発電所に手を加え、わざと崩壊させる可能性だってあるのだ。

さて、三峡ダムの建設当時、日本企業は発電機などの国際入札を目指していた。天安門事件後、天皇訪中までして中国共産党の機嫌を取っていたのである。その見返りとして三峡ダムという巨大プロジェクトから日本の企業が果実を得るのは当然であったろう。

しかし日本勢は次々に受注に敗退し、予定されていた日本輸出入銀行の融資も実施されなかった。一方で何とか受注に至った企業もある。

日本鋼管(NKK)は1998年に高級厚版の受注に成功している。住友金属も2003年に高張力厚鋼板約7000トンを受注している。他には三菱商事(トップベルトコンベヤ)や前田建設(コンサルティング)を受注するなど、日本勢も何とかおこぼれを頂戴したようだ。

さて、2017年のことだ。当時日本は神戸製鋼の品質データ改竄が大問題となっていた時期だが、中国メディアが「三峡ダム工事で契約した住友金属が契約上の基準を満たさない鋼板を納品し、検査の結果全て返品処理された」と報じた。もはや製品の品質において中国は日本を超えたばかりか、そもそも日本製品は品質管理がでたらめだ、との主張だ。

我が国の三峡ダムへの関与はわずかであり、日本企業よりもカナダなどの欧米勢が多く参加している。特にカナダはフィージビリティ調査から関与しており、融資も実施した。

三峡ダムが決壊する可能性は非常に低いが、決壊時の責任転嫁シナリオについては、中国共産党は周到に準備すると想定した方が良いだろう。

三峡ダムより深刻なメコン河のダム建設