武漢コロナウイルスの感染拡大と麻生の呪い

7月2日の発表で東京都の感染者数が100名を超えた。数日前には50名程度だったから、倍々拡大のステージに入ったと言える。私の理論では、これは麻生の呪いだ。ウイルスは感染拡大の抑制にてこずっている国々を見下したり、自国の対応を自慢したりする高慢な国を狙って拡大する。麻生氏が日本人の民度云々と思いあがった態度を見せたのが今回の感染拡大の原因なのである。

武漢ウィルスは傲慢な国を狙って蔓延する

もちろん、これは道徳的な比喩表現であり、実際にはウイルス根絶前に自粛を解いたのが直接の原因であり、いわゆるロックダウン効果がなくなったために起きた必然の結果である。

自粛については、経済優先の立場から猛反対する人達がいる。識者の中には4月の緊急事態宣言は不要だったと主張する者もいるが、これは完全な間違いであり、5月末に一旦収束を見せたのは自粛の成果である。そして今回の感染拡大は社会活動の再開が要因だ。

5月末の収束時点で、いわゆるクラスター対策により突発的な感染拡大に対処していけば、新規感染は続くだろうが平均すれば低水準のまま推移するだろうというような見方が多かった。緊急事態宣言の解除はこれが前提となっている。しかし、これは間違いである。

ウイルスに限らず、感染症というものは感染が拡大するか、収束するかの二つしかない。低水準のまま推移するというのは、非常に稀なケースである。それは感染拡大に関する数学モデルを見れば明白であり、定常状態を実現するパラメータの値が少しでもずれると、拡大か減少かどちらかになるのだ。増減の繰り返しは生態系における法則のようなものであり、武漢コロナウイルスも同様だ。

今後、特殊な要因がない限り、武漢肺炎の死者は増え続ける。上記で説明したように、増えるか減るかの二者択一であり、低位の平衡状態はない。そして増加の際には数学的には指数関数的に増加する。病床数が増えたとか、若年層の感染だから心配ないだとか、その場その場の言い訳で無策を続けていると、いつの間にか欧州諸国と同水準になるだろう。

日本人の民度に期待するな

欧州は日本や韓国などからの入国を緩和したが、アメリカについては除外したままだ。アメリカやブラジルは経済優先の姿勢が明確であったが、他国との人的交流が閉ざされたままとなるだろう。感染が拡大すれば、国際的に孤立するリスクが高まるのだ。経済優先のために経済活動を再開するのは、実際には国際社会への復帰を遅らせ、長期的には経済を悪化させる要因なのである。