右傾化の分析~無関心層の一時的な義憤

今日は以前の記事、右傾化の進行レベルで分類したもののうち、「竹島・従軍慰安婦問題を契機とした義憤的愛国」について取り上げる。

民主党が政権を獲得したのは2009年、ごく最近の事である。小沢一郎はじめとする政権与党は在日韓国人への選挙権付与を画策していた。また当時は韓流ブームが日本を席巻し、朝鮮通信使イベントによる町おこしなど、日本全体が韓国の軍門に下ったかのような様相を呈していた。

状況が一変したのは当時の李明博韓国大統領による2012年の竹島上陸である。これにより、長年日本人が忘れていた竹島の領土問題に火が付いてしまった。

また同じ時期に韓国による従軍慰安婦捏造が世界中に宣伝されるようになった。2011年には韓国の日本大使館前に慰安婦像なる銅像が設置され、その後アメリカで続々と慰安婦像が設置される事になる。

韓国だけではない。中国が尖閣に対する領土的野心を露骨に行動に示すようになり、2010年には中国漁船が尖閣沖で違法操業を強行、海上保安庁の巡視船に体当たりする事件が発生した。

これらの事件は全て中国・韓国寄りと言われる民主党政権時代に発生したものである。日本が「友好」重視の姿勢を少しでも見せると、中国・韓国がそれに付け込んで要求をエスカレートさせるという法則は実に不変なのであった。

韓国と中国による一連の反日行動は、政治に無関心だった一般の日本人を激怒させてしまった。これが今日右傾化と呼ばれているものの原点である。その内、少なからぬ人達が更にその次の段階の右傾化へと進む事になるが、大半の日本人はここで留まっている。普通の人は日常生活に忙しくて政治やら歴史にかまってられないからだ。

以下の図は、このレベルの人達の右傾化チャートである。この人達は、一時的に日本人である事による当然の義憤から右傾的な思想を持っただけであり、時間が経てば元の無関心層に戻る。竹島については李明博の上陸から2年が経過し、そろそろ忘れている頃だ。

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今年になって安倍政権を苦しめた集団的自衛権の行使容認問題では、日本人の多くが戦後左翼の呪縛から解放されていない事が示された。竹島問題で急速に右傾化したように見えても、大多数の国民は政治的に無関心な中立層なのである。