今日も安保法制がらみの内容だ。民主党はパンフレットまで作成して、安保法制は徴兵制に行きつくと主張している。
日本が徴兵制を採用する積極的理由はなく、自民党を含め主要な政党で徴兵制を主張している政治勢力はなく、日米安保条約によって米軍に日本を守ってもらっている現状では徴兵制が導入される必然性はない。
中国の軍事力増強に対応するには、日本が経済成長を維持して自衛隊の戦力を安定的に保持する事が重要だ。このため、若い労働力を強制的に一定期間兵役に就かせる事は、日本では経済損失が大き過ぎて、逆に防衛力の維持にとって不利である。
また、日本は反日国家から帰化した者を多く抱えており、有象無象に自衛隊に参加させる事は危険だ。
中には若者を鍛えるためだとか、女性の社会進出のためだとかいう理由で徴兵制導入を主張する人達もいるが、少数派であり、そもそも安保法制とは関係がない。
それでも反日左翼は日米安保の強化を徴兵制への道だと主張して大騒ぎをしている。これは国民を不安にさせて、安保法制反対派を増やし、安倍政権を不安定化しようとするプロパガンダである。
さて、左翼のプロパガンダに洗脳された国民は徴兵制を恐しいものと思い込み、一種の恐慌状態になっているが、扇動している連中は、実は徴兵制の本当の事を知っている。何故なら、彼等の身内である韓国が徴兵制を採用しているからである。
もし徴兵制が不気味な、恐怖の制度であるなら、韓国は危険で悪魔的な隣人だ。しかし、韓国は一応、自由主義、民主主義国家として存在し、経済も発展して先進国の一員となっている。
その視点で周辺国を見ると、意外にも、比較的安定した国々でも徴兵制が導入されている。インドシナの各国は、タイを含め徴兵制を導入している。タイは軍事クーデターが頻発しているが、それでも凶悪な軍事国家という事は無い。シンガポールのような貿易・観光立国でも徴兵制が敷かれている。
戦後左翼の理想郷であった中立国スイスも徴兵制を導入しており、フィンランド(中立国)もそうだ。中立国ではスウェーデンも徴兵制を採用していたが、2010年に廃止した。NATO加盟国でも徴兵制を維持している国はあるが、侵略国家というものはなく、左翼が扇動するような、徴兵制ですぐ戦争、人殺し、という状態ではない。
南米諸国もブラジルを含めて徴兵制の国が多いが、それでも平和を維持している国が多い。ボリビアは左翼政権が成立した後、憲法を改正して日本のように戦争放棄すると大統領が発言し、左翼を大いに期待させたが、改正された憲法では外国軍の駐留禁止とともに、徴兵制が明記された。
左翼が理想郷とする国々で徴兵制が採用されている。これらの国々では国家は国民のものであって、個人個人の高い公共精神が国家を形成するという理想から徴兵制が採用されているのである。これは個人の自由が国家に優先するという自由主義と比較すると、少しばかり共産主義に近い位置にある考えだ。ちなみに、王政を廃止したフランス革命が近代徴兵制の起源である。
だから、本物の左翼にとっては、場合によっては徴兵制が肯定される。高福祉で中立な国家で徴兵制が導入されていても、米帝に対抗する左翼国家で徴兵制が導入されても、彼等には違和感はないのである。
もちろん、徴兵制と戦争が密接に結びついている国々もアフリカや旧ソ連などに存在する事は事実である。
徴兵制の廃止は世界的な潮流であり、中立国としての理想が高い国を除き、その傾向は続くだろう。安保法制が徴兵制に直結する要因は何もないのである。
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