中国の南シナ海支配に協力する世界の企業、日立も参加

中国は西沙諸島を軍事的に占領し、南シナ海の広大な地域で領有権を主張し、この地域を「三沙市」の管轄下として不当な実行支配を進めている。RFA(ラジオ・フリー・アジア)によれば、米国企業を中心に多くの企業が三沙市に製品を納入しており、この中には日本の日立も含まれる。

RFAが調べた13の政府契約や関連資料で、納入品は66品目、合計金額は約93万ドルに該当し、2016年から2021年初頭にかけての契約だ。米国企業はこのうち51品目で突出している。日本企業は2品目であり、このうち一つは日立である(もう一つはIcom)。

日立は、Jiangxi Taozhuo Trading Co., Ltd.という中国企業を通して、三沙市人民病院に自動生化学分析装置を納入している(あるいは予定である)。三沙市人民病院はベトナムも所有権を主張しているウッディー島に建設された病院だ。

これらの物品契約は、たまたま中国の企業が市場で調達したのが米国製や日本製だった、という事ではなく、政府調達の入札結果である。当然ながら企業は契約後に正式発注を受けて製造し、納品する。つまり日立の場合もICOMの場合も、当該製品が中国による南支那海の実効支配に利用されると理解していたと推測できる。

先の日米首脳会談では、中国による南シナ海での現状変更や威圧に反対する事で一致したとあり、メディアでもその強硬姿勢ぶりが強調して報じられた。しかし、実態はというと、肝心の米国企業が三沙市の南支那海支配に関わる政府調達に積極参加して、中国による実効支配を側面から支援しているのだ。そして日本企業も同様であり、日立の参加によって日本国内の切り崩しにも成功したと言える。

外国の企業が、中国の南支那海開発に関する政府調達に参加するという行為は、単に最先端の技術を日米首脳会議で非難したはずの海洋覇権に利用させるというだけではなく、それ自体が中国による実効支配を認める行為であり、政治的には愚かな判断なのである。