日本共産党は第三世界が好みである。冷戦時代、日本共産党は自らは社会主義陣営の尖兵であったにも関わらず、資本主義陣営でも社会主義陣営でもない第三世界というものを贔屓していた。第三世界の具体的な形として、非同盟諸国会議というものがある。現在でも日本共産党はじめ左翼団体が非同盟諸国会議に頻繁に参加している。
非同盟諸国会議とはユーゴスラビアのチトー大統領によって提唱されたもので、1961年に第1回の非同盟諸国首脳会議がユーゴスラビアで開催されている。
さて、非同盟諸国会議に類似するものとして、G77(77カ国グループ)というものがある。77ヶ国グループとは、1964年に形成されたもので、当時の発展途上国77ヶ国が参加した。もちろん、日本共産党はG77も贔屓にしている。
現在、G77の参加国は133ヶ国であり、中国やインド、ブラジル等の新興国を含め、中南米、アフリカ、中東、南アジア、東南アジア等の多数の国が参加している。北朝鮮もこのグループに属している。
近年、中国はG77の舞台でも発言力を強化しており、今年ボリビアで開催された50周年記念でもその存在感を示していた。
ところで、すっかり先進国の仲間入りした気になっている韓国であるが、実は1996年にOECDに加盟するまではG77のメンバーであった。そもそも、韓国はG77創設時の参加国である。OECDというのは経済援助する側が加盟する国際組織であり、G77のメンバーから突然OECD加盟国となった韓国の成長ぶりには驚かされる。とは言え、別な言い方をすると、今から約20年前は韓国はまだ発展途上国だったのである。
一方、中国は未だに自ら「発展途上国」であると称し、G77のリーダー的存在になっている。実際、G77の50周年が開催された南米でも経済援助を武器に主導権を握っていた。「先進国」という名誉を取って外交の足掛りが細くなってしまった韓国とは大きな違いである。
ところで最近の東アジアの情勢を見ると、「発展途上国」の親分である中国に、先進国の一員であるはずの韓国が飲み込まれそうな気配である。韓国は自国にとって有利なはずの、日本の集団的自衛権行使容認にも反対して反日を加速させているが、このままだと中国の属国になってしまうというほどの勢いである。そのうち、OECDからG77に逆戻り、という事にもなるのではないか。誠に心配な点である。