武漢ウィルスは傲慢な国を狙って蔓延する

武漢コロナウィルスが蔓延してしまった国には、ある共通点がある。今年の1月からの経緯を思い出して欲しい。武漢ウィルスは、感染者が出ている国を揶揄したり、感染者発生国の国民を差別したり、あるいは自分の国ではウィルスが広まるはずがないと思いあがった国を狙って蔓延していった事がわかるだろう。

中国に次いで我が国に武漢コロナウィルスの感染者が増加していたころ、欧州ではアジア人に対する差別や嫌がらせが横行した。フランスで寿司店にコロナと落書きされたのは報道で記憶している人も多いだろう。

欧州だけではない。通常はまさか日本人を差別するはずがないと思われるような国でも日本人に対する差別が発生した。インドネシアはその一つだ。その後、イタリアを皮切りにヨーロッパではウィルスが急速に拡大した。

イギリスでは欧州大陸より感染者が少数で、日本での感染拡大を受けて東京オリンピックの開催について議論になっていた頃、イギリスの政治家はロンドンでオリンピックを開催しようと日本をからかった。その後の展開は承知の通りだ。

米国の例は顕著である。メディアは日本のダイヤモンドプリンセス号事件を揶揄し、大統領は米国の検疫システムは完璧だとの自信を見せていた。ブラジルも、大統領が自国での対応に強い自信を見せていた国だ。なお、ダイヤモンドプレンセス号にはロシア人も大勢乗船していたため、ロシアは日本政府を厳しく批判していた。

日本と韓国の場合を見よう。当初、日本での感染拡大を冷笑し、東京五輪の中止を願っていた韓国では感染が一気に拡大した。その韓国の感染拡大を日本が揶揄していたら、今度は日本で感染が拡大してしまった。一方で感染を抑えた韓国がK防疫なるものを自画自賛した途端に感染の巨大クラスターが再発生してしまった。

武漢ウィルスが他者を見下し自分が優越であると考える国を狙って蔓延するという説は、もちろん科学的根拠はなく偶然の事象だけ見た私の作り話だ。だから例外もあり、あてはまらない国も多い。とは言え、謙虚さこそが、実は武漢肺炎対策に大事な心構えだとは思う。

さて、麻生財務大臣は武漢コロナ対策について「日本は国民の民度のレベルが違う」と発言したが、私の説によれば、いわゆる「フラグが立った」状態なのである。

 

経済産業省が画策する日中経済協力と習近平国賓来日

現在、政府が推進しているインフラ輸出の方策として、「第三国連携」というものがある。日本企業はどうしても高コスト体質なので、価格競争力のある他国企業と組んでインフラ輸出を実現しやすくしようとするものだ。この場合の他国企業とは、輸出先の国とは別の国の企業のことで、このため「第三国」という呼称を使っている。

現在、海外に事業展開している会社の多くが、進出先の会社だけではなく様々な国の企業と連携している。民間ではあたり前のことであるが、政府が税金で後押しするインフラ輸出では日本企業への裨益が求められる。政府支援の目的が日本の経済発展にあるのだから当然だ。しかし100%日本連合ではインフラ輸出がうまくいかないのが現状であり、経済界の要望もあって第三国連携というものが進められている。

さて、価格競争力があり、一定の技術力のある企業と言えば、何と言っても中国企業である。国の資料では第三国として米国やトルコ、インドなどが例示されているが、中核となるのは中国企業との連携だ。官民連携の名のもと、日本の税金で事業の調査を実施し、円借款で中国企業とそれと組む日本企業に受注させるのが第三国連携の目的である。

この第三国連携を主導するのが、持続化給付金の件で電通など民間企業との癒着が話題となっている経済産業省である。

ここで「日中第三国市場協力フォーラムについて(経済産業省2019年10月)」という資料を見てみよう。

2018年10月の第1回日中第三国市場協力フォーラムでは、北京の人民大会堂で安倍首相が挨拶をしている。日本政府として、中国政府とともに後押ししていく、との事。その年はトランプ政権がウイグル人強制収容所問題を取り上げ、国際社会の関心も高まっていたので、日本の行動は特異であった。ちなみに中国共産党は、次の年にイタリアの一帯一路参加を実現させている。

中国との第三国連携を進めている企業として資料に記載されているのは、伊藤忠、千代田化工、新日鉄、東芝、日本通運、三井物産、丸紅、吉本興業、みずほ銀行などである。

同資料によると、2020年春にも第2回の日中第三国市場協力フォーラムが都内で開催される予定であった。事務局長として和泉総理補佐官、経団連の久保田事務総長が予定されている。これは、当然ながら予定されていた習近平の国賓来日を前提としている。

中国企業との「第三国連携」は、具体的な事業を抱えている経済界にとっては中断できない相談である。したがって現状で習近平の国賓来日が白紙になりそうに見えても政権が財界に屈する可能性は高いのである。

 

アウシュビッツを知らずにドイツと手を組んだ東条英機、再教育キャンプを知って習近平の国賓来日を目指す安倍首相

再教育キャンプとは、中国共産党がウイグル人の民族浄化を目的に設置されている強制収容所であり、100万人のウイグル人が収容されていると言われている。

再教育キャンプの実態は、アウシュビッツを彷彿とさせるものだ。違いは、ナチスはユダヤ人を物理的に消したが、中国の場合は洗脳という手段で民族浄化を進めているという点で、日常的な体罰、劣悪な居住環境、侮辱といった人間性の否定は同じである。

当然のことながら、ナチスは現代においては悪者扱いされている。そしてナチスと同盟を結んだ日本も同様だ。しかし連合国の情報網を駆使しても、ユダヤ人強制収容所の事実が明らかになったのは、ドイツ降伏の直前であった。

ドイツと同盟を締結したのは東条英機ではないが、陸相として近衛内閣を支えている。東条英機はこの時点でアウシュビッツの存在を知らない。とは言え、その後、三国同盟が日本にもたらした災禍を見れば、当時の政治達を評価することはできない。

一方で今日の日本の政治家達はどうか。彼等は現代版アウシュビッツと言えるウイグルの再教育キャンプの存在を知っている。そして、知りながら最高責任者である習近平を国賓として来日させる事を画策しているのだ。戦前の政治家よりも道義的には下等な連中であろう。

報道では習近平の国賓来日は中止になりそうな雰囲気となっているが、それは甘い。中国との経済協力を模索している経済界と官僚達があきらめているという証拠はない。

アフリカ豚熱と武漢コロナウィルス

近年、アジア地域でアフリカ豚熱の感染事例が増えている。人には感染しないが、豚・猪に感染し畜産業に打撃となるため、日本の空港では摘発を強化している。「アフリカ豚熱」という呼び方は、別にアフリカを豚扱いにしているわけではない。日本国政府が公式に使用している用語であり、アフリカに対する差別ではない。

一方、武漢発のコロナウィルスや肺炎については、メディアも政治家も武漢ウィルス・武漢肺炎とは呼んでいない。発生地が明確で「武漢ウィルス」という表現が最も適しているにもかかわらず、中国への差別を助長するという理屈である。

しかし実際は差別的表現が理由なのではなく、中国共産党への忖度が最大の要因だ。

安倍政権がここ数年中国への忖度を強めている理由は良く分からないが、政府の過度な親中政策とメディアの伝統的態度により、武漢肺炎・武漢ウィルスは差別表現だという不思議な主張が平然とまかり通っている。

共同通信の「日本、中国批判声明に参加拒否」という虚報が平然と流されるもの、武漢肺炎とは呼べない政府の姿勢が背景としてある。

かつて秦の丞相が皇帝の前で鹿を馬と呼び、周囲の者にも馬と呼ばせることで自らの権威を示したという故事があるが、武漢ウィルスを新型ウィルスと呼ばせるのも同じ目的である。何かの呼称を決める行為そのものが、誰が誰より上位者であるのかを明確にする手段なのだ。中国共産党はCOVID-19という呼称を定着させ、武漢肺炎を差別用語扱いとしたが、それに従う事は中国共産党の権威に平伏するという行為である。

米国の政治家が時々「中国ウィルス」という表現を使うが、言葉の定義が国家間の力関係を反映すると理解しているからだ。「中国ウィルス」は露骨に政治的だが、「武漢ウィルス」は「新型コロナウィルス」よりも遥かに自然で中立的な表現である。2020年の歴史を正しく後世に残すためにも武漢肺炎・武漢ウィルスという表現をより多くの人に使ってもらいたいものだ。

金正恩と対話するトランプ大統領

北朝鮮は前回の核実験(9月3日)から軍事的挑発を止めている。いつものパターンだと、短距離ミサイル実験などの小さな挑発から始めて徐々にエスカレートするという戦略を取るだろう。ただし中国共産党の党大会(10月18日)前後に軍事行動を起こすという報道もあり、自衛隊も緊張でかなり疲労してしまうのではないかと心配だ。

さて、衆議院選挙では北朝鮮問題があまり話題になっていない。外交や国防については政府批判をせず、政府を信用するという姿勢なら評価するが、野党の選挙戦術とマスコミの倒閣路線が北朝鮮問題を議論しないように仕向けている。

議論するとすれば、現政権の対応についてであろう。戦争というのはあり得ない選択肢だから、いずれは外交決着するはずであるが、そこに至る方法論と最終的な終着点についてはいくつか意見があるはずだ。野党やその支持者たちが主張する話し合いやら外交的解決というのは、その具体的な内容が明確でないと意味がない。

現在、北朝鮮と一番対話しているのは、実はトランプ大統領である。これまで西側諸国の品のある政治家は北朝鮮の野蛮な咆哮をずっと無視してきた。日本に対する罵詈雑言は金日成の時代から常軌を逸していたが、「またキチガイが何か言っている」程度に聞き流してきた。北朝鮮は一所懸命にメッセージを送っているのに、黙殺を続けてきたのだ。

トランプ大統領は歴代まれに見る下品な大統領であるが、実は人情味豊かで愛情に溢れている人物だ。普通の紳士ならシカトするはずのトラブルメーカーに対しても、きちんと喧嘩に応じているのだ。おそらく金正恩は現在幸福の絶頂であろう。悪口を言えば返事が必ず返ってくるのである。

安倍政権は経済制裁により北朝鮮を対話のテーブルにつかせようとしている。左翼は安倍首相の強硬路線を批判しているが、そもそも安倍政権が最初に着手したのが北朝鮮との対話であった。2012年、北朝鮮が米朝合意を破棄し核保有を宣言した後でも対話を続け、2013年に北朝鮮と国際社会が緊張を高まったにもかかわらず、2014年にストックホルム合意を結んだのだ。

その後の経緯を見れば、制裁を緩和する方式の対話がもはや不毛である事は明白であろう。

さて、対話の結末であるが、北朝鮮の核保有を一部容認する形の決着もあり得る。その時に激昂する国内世論を収める事が出来るのは安倍首相だけであろう。