豪州二重国籍議員の辞職

蓮舫民進党党首の二重国籍疑惑が話題となっている中、豪州で二人の議員が二重国籍を理由に辞職した。

一人は緑の党の共同副党首の一人であるスコット・ラドラム上院議員で、7月14日に辞職した。過去9年間、ニュージーランドとの二重国籍状態である事を知らなかったが、最近になって二重国籍状態であった事が判明したためだ。彼は自分のミスである事を認めて謝罪した。

もう一人は緑の党のもう片方の共同副党首であるラリッサ・ウォーターズ上院議員で、2011年から議員を努めているが、カナダとの二重国籍状態である事が判明し、7月18日に辞職した。彼女も二重国籍のミスに対して自分に全責任があると認め、支援者に謝罪した。

スコット・ラドラム氏はニュージーランド生まれだが、3歳の時にオーストラリアに移住。ラリッサ・ウォーターズ女氏はカナダで生れ、生後11ヶ月の時にカナダを離れ、8歳の時にオーストラリアに移住している。

緑の党党首のディ・ナタレ上院議員は二人の共同副党首の辞任を受け、所属議員に二重国籍者がいないか徹底的な調査を実施すると約束した。

スコット・ラドラム議員の辞職は前首相のトニー・アボット氏の二重国籍疑惑にも波及したが、トニー・アボットは直ちに英国籍の離脱証明書をTwitterで公開し、噂を一蹴している。

最近のニュースサイトではTwitterでの意見を転載する事が多いが、今回の件でも支持者達の声が数多く掲載されている。ほとんどは”We miss you”で、議員を激励するもの、感謝するもの、応援するものばかりである。「ヘイト」であるとか、「差別」であるなどの意見は一切無い。支持者達は、潔く法に従い、謝罪した議員をむしろ称えているように見える。

蓮舫の二重国籍問題を巡り、左翼や在日外国人が差別であるとか、人権問題であるとか主張しているが、反日活動のためのプロパガンダに過ぎない。政治家が法律を遵守するかどうかの問題である。人権に配慮して国籍を隠すというのは異常な意見であり、それを隠すような社会がむしろ差別を助長する。法律上二重国籍が問題となる場合には、証拠を堂々と示す事ができる社会の方が差別の無い社会なのである。

蓮舫氏の場合は、異様な左翼世論の中で、豪州議員が見せたような政治家としての矜持、潔さからは正反対の態度であり、今すぐにでも議員辞職すべきである。

さて、豪州でも議員が二重国籍であってはならないという憲法の規定がおかしいという意見はある。The Sydny Morning Heraldというサイトの意見欄では、Adam Gartellという人が二重国籍の禁止を「ばかげている(absurd)」と表現し、完璧な時代遅れで豪州のような多文化が融合した近代国家では奇妙だとも言っている。

一方で、彼は、昔は二重国籍の禁止は合理的だったという意見だ。すなわち、当時、豪州は出来たばかりで、周囲は敵に囲まれ、敵に浸透される恐怖があったと言うのだ。

さて、今日の日本はどうだろう。日本の歴史は古いが、周囲は日本の領土を狙う敵対国ばかりだ。韓国は対馬の領有を主張し、中国は沖縄を奪おうとしている。北朝鮮は日本人を拉致したまま核・ミサイルで日本を脅し、ロシアは北方四島を不当に占領したままだ。国内の朝鮮人は日本で反日政治活動を繰り返し、メディア、経済、そして政治に侵食している。もちろん最大の脅威は中国であり、増え続ける在日中国人は中国共産党の対日工作の巨大な武器となっている。

森友学園騒動でマスコミが解明しなかった事

今年の2月から4月にかけて森友学園問題が国内政治を騒がせた。結果的に政権側には全く問題はなく、マスコミや左翼が不正の証言者として期待した籠池氏サイドの杜撰な学校経営が明らかとなり、マスコミが加計学園騒動に軸足を移す中、この話題は終焉した。

マスコミは森友学園問題を精力的に取材したが、国有地売却に関連する不正は見つからず、印象操作としては手詰りの状況になり、加計学園取材に移行したのである。

左派系メディアの倒閣偏向報道がもたらす民主主義の危機

しかしながら、森友学園騒動ではいくつかの点が疑問として残されたままだ。その一つは、「学校用地の地下にあった大量の廃棄物は、いつ、誰が持ち込んだのか」というものだ。

対象となっている土地は、豊中市が施行主体となっている野田地区土地区画整理事業で整備された土地であり、国が大阪国際空港の騒音補償のために買い取っていた土地と引き換えに取得した土地である。

土地区画整理事業では、事業前に保有してた土地と、事業後に保有する事になる土地の間で、価格のバランスが取れるよう、各人の土地をシャッフルする。地権者の土地を入れ替えたり、削ったり、足したりする。

野田地区土地区画整理事業は平成8年に事業認可され、平成17年に換地処分(シャッフルの終了)されている。この事業により、国は補償のために買い取っていた土地と同等の土地を取得したはずであるが、もし地下に大量の廃棄物が存在する事を知らずに事業を実施したと仮定するなら、国はとんでもない土地を掴まされたという事になる。

一方、対象となる土地に大量の廃棄物がある事が前提として事業が実施されていたとすれば、国が当該土地の価格を事前に理解していた事になり、森友学園の土地取得の過程で生じた混乱は無かったはずであり、したがって今回の騒動は起きなかったはずである。

土地区画整理事業の段階で地下の汚染が把握できないという事は、土地の価格のバランスを保ったまま土地の権利関係を組み換える事業手法の信頼性が損なわれてしまう。

あるいは、長期にわたって未利用地のまま放置している間に、何者かが不法に投機したとすれば、国の管理が杜撰だった事になり、当時の担当官僚の責任問題となる。平成24年の野田政権の時代に、一旦この土地が新関西国際空港株式会社のものになるが、安倍政権発足直後に国土交通省に戻されている。この過程で何かが起きた可能性はないだろうか。

野田土地区画整理事業は、国土交通省にとっては自慢の優良事業である。平成7年に発生した阪神淡路大震災では対象地域も被害を受け、震災復興事業の補助が適用され、また密集住宅市街地整備促進事業とも併用された。市街地再開発事業という別の事業も組み合わせ、長屋建て替えを実現させるなど、国土交通省が積み重ねてきた補助金事業が大成功した例と言って良い。さらに豊中市はこの事業の中で公営住宅を取得している。

しかしネットで色々と検索すると、一つ不明な点がある。それは、今回話題となった森友学園用地は、当初の計画では近隣公園として定められていたのに、いつの間にか国有地売却の用地となった点だ。

土地区画整理事業というのは住民の合意形成が不可欠であり、広大な近隣公園の絵を見せられて賛成した人もいただろう。本来は豊中市が取得し、予定通り近隣公園として整備すべきだったし、そうしていれば今回のような騒動も無かった。

豊中市は、国が格安で譲ってくれるとの思い込みがあったようだが、隣接する野田中央公園を補助金活用により格安で取得できたのだから、森友学園用地だって購入できていた可能性はある。さらに地下にゴミが大量に埋まっている事が事前に分かっていれば、豊中市は当初の絵姿通り、近隣公園として整備できていたと思われる。

日中緑化交流基金に起きた異変

近年、中国は大量の日本人をスパイ容疑、あるいは全く理由が不明なまま拘束している。報道によれば現在12人の日本人が中国当局に拘束されたままだ。

恐しいのは理由が不明な点だけではなく、日本政府が何ら対応をしない点だ。北朝鮮による拉致被害者への対応もそうだが、我が国は外国政府の弾圧に苦しむ自国民に冷淡だ。

中国で拘束された人物には、日中緑化交流基金が進める砂漠の緑化事業に尽力してきた人も含まれる。報道では匿名なので、どの団体に属する人物かは不明であるが、かなりの親中派であるようだ。中国共産党の権力争いに巻き込まれたとの説が有力だ。

さて、日中緑化交流基金と言えば、安倍政権のもと、2015年末に90億円の支出が補正予算で認められた。その後、平成28年度には57件の事業に対し合計4億1450万円の助成が実施されている(相変らず鳩山由紀夫が理事長を努める日本友愛協会が助成対象に入っている)。

ところがである。今年平成29年の7月7日、日中緑化交流基金のホームページに以下のような知らせが掲載された。

平成29年度日中民間緑化協力委員会の委員会資金による助成事業の募集について

日中民間緑化協力委員会の委員会資金による助成事業は、中国で植林緑化協力活動を行う民間団体等を対象に、平成12年度から実施しているところですが、基金残高の現状に鑑み、平成29年度は、平成28年度からの継続事業のみを募集対象とし、新規事業の募集は行わないことといたしますので、ご理解のほどお願いします。

「基金残高の現状」というのは意味不明だ。上記の補正予算90億円とは一体何だったのか。手続きか何かの問題で、基金には支出されなかったのだろうか。

本件、実際に100億円基金体制が維持されたにも拘わらず、わずか1年で助成継続が困難となったのだとすれば、何かが変だし、補正予算が実際には実現しなかったとすれば、政治的な裏がありそうだ。

ネットの情報だけでは不明であるが、ひょっとしたら中国による邦人拘束が影響しているのかもしれない。この件は引き続きウォッチしていくつもりだ。

ところで、大陸緑化について色々とググっていると面白い事が判明した。実は対中ODAは現在も継続しているのである。具体的にはJICA(国際協力機構)が中国への技術協力を実施しており、最近では「環境にやさしい社会構築プロジェクト(大気汚染対策業務)」なるJICA事業を「一般財団法人日本環境衛生センター」が受注している。

中国の大気汚染は日本でも被害が発生しているから、大気汚染対策であれば対中ODAも大丈夫だろうと思ったら大きな間違いである。中国の大気汚染は中国企業だけの問題ではなく、現地に進出している米国やドイツ企業の問題でもある。日本の援助は、中国を助け日本に対抗する欧米企業を支援しているようなものなのである。

日本人の正義感と共謀罪

今国会における共謀罪をめぐる政局騒乱は、自民党の支持率を大きく下げる要因となったが、同時に日本人の正義感がどの辺りにあるのか、というのを明確にした出来事であった。

アメリカでは共謀の事をConsipiracyと言う。これは日本語だと共謀と訳される他に、「陰謀」という意味もあり、実際アメリカでも二つの意味がある。後者はうさんくさい文脈で語られるが、前者の「共謀」は、アメリカでは許すべからざる犯罪の一つだ。

アメリカでは永く国内麻薬戦争の状態にある。麻薬との闘いのために強力な武器の一つが共謀罪である。武器とは言っても完璧ではないので、トランプがメキシコとの国境に壁をつくると言っている。だが、壁を作ったとしても共謀罪は残る。麻薬に関する共謀は、それだけで悪とするのがアメリカの正義だからだ。

マフィアが麻薬工場を建設する事を共謀し、実際に土地を購入したとする。アメリカ人の感覚では、それ自体が犯罪であり、実際に共謀罪に該当し、法に触れるケースである。

一方で日本の正義感はどうだろう。同じく暴力団員が麻薬工場を建設する事を共謀し、合法的にその準備を進めたとする。この場合、まだ麻薬を製造していない段階では犯罪とすべきではない、逮捕すべきではない、というのが日本人の正義感、より正確に言うと、共謀罪に反対していた人達の正義感である。

「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。」という伝えの影響だろうか。あるいは性善説を誇りに思う心情の影響だろうか。懲罰より更生を重視する思想なのか、とにかく今回の共謀罪を巡る騒動では、日本人の正義感というものの特徴が見えたと言える。

アメリカでは嘘ですら共謀罪の対象となる。日本の左翼の表現を借りれば、「アメリカ政府に嘘をつく相談をしただけで逮捕される」のだ。もちろん、これはテロ等準備罪に反対していた左翼の言い方を真似た極論であり、「居酒屋で冗談で言っただけで」逮捕されるという低レベルの法律ではない。連邦法第371条では、連邦政府に対する詐欺の共謀が犯罪となる。

Volkswagenの燃費不正では今年1月に幹部が逮捕されたが、その罪状は共謀罪であった。他に5人の元幹部も共謀罪で起訴されている。

アメリカでは日本人もConspiracyで逮捕されているケースがある。主として独占禁止法違反などの経済犯である。

アメリカの共謀罪はちょっと過激するぎるかもしれないが、彼等から見れば日本の対応は甘すぎるであろう。例えば、今回の法整備では、賄賂が共謀罪の対象となっていない。欧米人は、日本の企業は不正なやり方で儲けていると思っている。最低でもヨーロッパ並の厳しさにはしておく必要があるだろう。

また、テロに対する正義感を見れば、日米の違いは明白であろう。

北朝鮮の核実験に憤慨し、朝鮮学校を襲撃する計画を立てたとする。お前は一階、俺は二階、などだ。もちろん酒の席でつい興奮して計画したというレベルのものではない。共謀罪に反対する日本人の正義感としては、その程度の事で犯罪扱いにしてはいけない、という事であろう。もちろん監視対象にもすべきではないというのが彼等の正義だ。しかしこの場合は最低でも監視対象にはすべきであろう。

日本以外の国の正義感は違う。既に多くのテロが共謀段階で阻止されている。日本がわずかでも国際標準に近付いたという点で、今回のテロ等準備罪はある程度は評価できる。

なお、善人の正義感だけではなく、悪人の感覚も日本は異なる。暴力団が任侠と言われるように、日本の文化は国際感覚からは、ずれている。したがって、日本から在日朝鮮人、中国人を追い出し、外国人の流入を阻止して純粋な日本人だけの国土にすれば、共謀罪も不要となるだろう。

関連記事

赤旗新聞『前川さんは生きていた』

平成元年の赤旗新聞には興味深い記事が多い。この年は天安門事件とベルリンの壁崩壊で日本共産党にとっては散々な一年であった。最後の最後までチャウシェスクを信じ、最後の最後で裏切られた。

チャウシェスクと日本共産党の親密な関係

さて、この当時、資本主義陣営への対抗意識から、日本共産党は韓国を嫌っていた。

嫌韓の元祖は日本共産党

平成元年1月14日の事である。韓国の釜山市にある観光ホテルで火災が発生し、日本人を含む36人が死亡した。その時の赤旗の記事を紹介したい。

韓国でまた高層ホテル火災 日本人3人含む36人死亡
防災施設不備、非常口にカギ 走る煙、大半は窒息死
【ソウル十四日時事】十四日午後七時十五分ごろ、釜山市釜山鎮区の大亜観光ホテル(地上十階、地下二階)の四階ヘルスクラブ内にあるサウナ室付近でボーンという音とともに突然出火。火勢は強くなかったものの、カーペットなどから有毒ガスが大量に発生、またたく間にホテル全体がこのガスに包まれました。

(中略)
また、同ホテルは①防災設備の改善命令を受け、昨年工事をおこなったものの、消防署の点検は受けていなかった②非常口はかぎがかかったままで、スプリンクラーも作動しなかった--ことなどが明らかになり、人災が被害を大きくしました。

日本人死傷者氏名
【ソウル十四日時事】韓国治安本部が十四日午後、確認した日本人死傷者は次の通り。(敬称略)
【死者】(中略)前川○(54)=福井市

保険証盗み旅券に?
前川さんは生きていた

韓国・釜山市の大亜観光ホテルで十四日発生した火災で、死亡したと伝えられた福井市××、自営業、前川○さん(54)は同日自宅で、「海外旅行にいったこともなければパスポートを申請したこともない」と語るとともに、死者が他人であることを確認しました。さらに「82年の6月から8月の間、会社の事務所から自分の国民健康保険証が盗まれた。盗んだのは小学校の時の同級生で在日韓国人の文正吉、日本名は岩本政男という。盗まれた直後、福井書に被害届を出し、警察でもだれが盗んだか知っており、早急に逮捕するといっていたのに・・・」と話しました。

客置き従業員逃げる
【ソウル十四日時事】韓国放送公社(KBS)が十四日午後九時のテレビニュースで報じたところによると、釜山市の大亜観光ホテルの従業員たちは、火災発生を知るや、客の安全を無視して先を争って逃げ出しました。KBSは、これが被害を多きくした一つの理由だと報じました。

何とも韓国らしい事故で、しかも日本人に成り済ました韓国人という話も入っており、現代だと嫌韓サイトで盛り上がる話であろう。韓国のネガティブな面を報道するのは、赤旗にとってはストレス発散だったに違いない。

今日ではこのような記事を赤旗が掲載する事は無いだろう。韓国批判になってしまうからだ。特に前川さんの証言だけを何の検証もせず一方的に取り上げるような事は絶対にしなかったに違いない。

なお、共産党は前年(1988年)9月8日に、大韓民国は「南朝鮮」と呼ぶ事を発表しているが、上記記事の段階ではまだ韓国と表記していたことが分かる。

韓国を『南朝鮮』と呼んでいた日本共産党

参考までに、赤旗はかつてこんな嫌韓記事まで掲載している。

昭和59年9月16日 韓国米から害虫ゾロゾロ
「輸入韓国米に害虫!」参院農林水産委員会でこのショッキングな事実が明らかにされたのがさる四日。ところがなんとその後入港、陸揚げされた韓国米からも同じ害虫がゾロゾロ。”安全”といいつづけてきた政府。それがこの始末。いくらこんご万全の対策を講じる、といわれても、駆除による有害な臭素が残る恐れもあり、不安はつのるばかり・・・。